中小企業には新規営業が足りてない!

「新規営業」についてのデューデリ

「営業」についてのデューデリでは、新たな顧客を獲得するための「新規」相手の営業と、「既存取引先」相手の営業に分けて、デューデリをします。

新規営業の部分のデューデリでは、新規の顧客を集めるために、どのくらいのコストをかけて、どんな営業をしているかをチェックしましょう。潜在顧客がどのくらいいるかについても確認します。

新規営業は、みなさんが入ることで改善できる一番のポイントです。中小企業では営業担当の部署はもちろん、営業担当者さえいないところが珍しくありません。それでも儲けが出ていたわけですから、そこに、みなさんが入って営業力を強化すれば、売上を上げられる可能性は高いのです。

中小企業は営業が足らない

私が投資を検討した先の、大手自動車メーカーの下請け会社の話を紹介しましょう。その会社は、リーマンショックの影響で、大手メーカーからの発注が止まって困り果てていました。そこで、とりあえずと思い、同じ工業団地にある会社に営業をかけたら、それだけで注文が来て、どんどん売上が上がったそうです。

それまで何十年もの間、そんな身近にいる顧客にすら営業をかけることもなく、それでも経営ができていたのです。こんな話は、中小企業では珍しくありません。中小企業の新規営業の部分は、それだけバリューアップの可能性が高いのです。

新規営業に関しては、事業計画では、たとえば100の売上を120にするには、営業コストが5ぐらいかかりそうだ、それなら15のアップサイド要因になるなというイメージで見ていくことができるでしょう。

既存取引先の営業のデューデリについては、次のコラムに続きます。


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。



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