会社を買いたいと口に出し続けよう
ソーシングにおいて、次にするのが「フラッグを立てる」ことです。「会社を買いたい」という旗を高らかに立てるのです。フラッグを立てて、みなさんの「会社を買いたい」という思いを、できる限り広く拡散しないと、案件や情報は絶対に入ってきません。
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たとえば、小さい頃から「私はアナウンサーになりたい」と家族や友達などの周囲に言い続けていれば、その人のところには、有名なアナウンサー養成学校があるとか、タレント事務所に所属した方がいいとか、アナウンサーになるための情報が寄せられるでしょうし、自分も情報を逃すことはないはずです。その情報量は、就職間際にアナウンサーになりたいと言い始めた人とはまったく変わってくるはずです。
会社を買うのも同じで、「会社を買いたい、買いたい」と言い続ければ、周囲からそういう人だとレッテル付けされて、自然と情報が集まってくるものです。フラッグを立てることは、ソーシングはもちろん、自分を後押しするという意味でも、会社を買うプロセスにおいて、もっとも大事なことのひとつでしょう。
ソーシングの際に何をすればいいのか
フラッグを立てるには、具体的にどうすればいいでしょうか。
まずは名刺に、「会社を買いたい」「事業承継をしたい」と書き込んでおきましょう。いまは何でもネットでという時代ですが、現物のモノの活用方法はまだあって、こんなアピールには非常に有効です。
当然、SNSの自己紹介には、「事業承継をしたい」「会社を買いたい」と書いておきましょう。友人、知人や家族、親族にそう宣言することも大切です。
もっとも効果的なフラッグは会社を作ることです。株式会社「事業承継」といった会社を設立して、「私が代表取締役です」と言えば、本気度は必ず伝わります。
フラッグを立てる方法に、これだけやればいいという鉄板の方法はありません。いろいろなところでアンテナを張ったり、アピールをしたりすることが大事です。思いつくことは何でもやってみましょう。
たとえば、ノートパソコンの裏に「事業承継したい」というステッカーを貼っておけば、打ち合わせのカフェでパソコンを開く度に、周囲にステッカーを見られることになります。そのステッカーがいつか実を結んで、カフェのオーナーから、「この店、売りたいんだけど興味ある?」と言われたり、知り合いを紹介してくれたりするかもしれません。そんなことありえないと思うかもしれませんが、可能性はゼロじゃありません。ゼロじゃないならやった方がいい。フラッグとはそういうものです。
自分のプレゼン資料を準備し、買いたい会社のターゲットを絞り、フラッグも立てたら、情報収集を始めましょう。次のコラムに続きます。
記事監修
三戸政和(Maksazu Mito)
2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。