ビジネスデューデリジェンスでは商品の安定性を見よう

「生産」のチェック項目

ビジネスデューデリジェンスの解説、続いては、「生産」フェーズのデューデリについてです。

このデューデリでは、商品の生産価格と商品供給の安定性についてチェックすることが重要です。

生産価格

生産価格については、それが変わる可能性がないか、チェックしましょう。生産を外注している場合、仕入れと同様に、価格交渉をしていないとわかれば、生産価格を下げられる可能性がでてきます。

逆に、外注先から長年値上げを求められているということがわかれば、いずれはそれを受けざるを得なくなる可能性が高いので、生産価格が上がるリスクがあることになります。

商品は安定供給できるか

商品の供給については、安定した商品供給が可能かをチェックしましょう。外注している場合は、外注先との関係、その会社の経営状態についても確認しましょう。代わりの会社があるかについてもチェックが必要です。

自分の会社で生産している場合は生産体制をチェックしましょう。安定供給に問題はないか、生産設備は十分稼働しているか、設備にムダはないか、経費削減をして生産価格を下げられる可能性はないか、改善できる点はないか、などを見ていきます。

とくに、地方では人材不足が慢性化しており、社員の高齢化も進んでいます。生産するための人材が確保できるかも重要なチェック項目です。最近は人材不足を補うため、外国人実習生や特定技能外国人に頼る企業もあります。彼らの中には数年で帰国する条件の人も多く、労務管理が複雑になることもあります。入国管理の規制動向によっては、安定的に労働力を確保できない可能性もでてきます。

いらないものがあった際の対処法

工場や倉庫などの生産設備で、未稼働で事業収益を生んでいないものがあれば、そこは買い取り対象から外したいところです。

とはいえ、オーナーとの交渉でいきなり、「この設備は使ってないので買いません」とは言わないようにしましょう。一方的な言い方では、オーナー側も反発してしまいます。そういうときは、「この設備はどういう使い方をしているんですか」「事業には使っていないんですか」というような聞き方をして、オーナーが「それなら私の方で引き取る」と、自分から言う流れに持って行くようにしましょう。それが交渉ノウハウです。

生産設備ではありませんが、中小企業では、オーナーの乗っているベンツなどの高級車が、会社の所有だったということがよくあります。社用車としてベンツはいらないので、オーナーに引き取ってほしいところです。

ビジネスデューデリの解説、さらに続きます。


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。



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