「タタムなんてもったいない!」で話題のTRANBI(トランビ)の評判や料金体系を紹介

事業承継番組「タタムなんてもったいない!」とは?

みなさんは、BSテレ東で始まった、加藤浩次さんがMCを務める事業承継に関する番組「タタムなんてもったいない」を知っていますか? この番組は、2021年10月3日に放送が開始され、毎週日曜日の22時30分〜23時00分に、会社をタタもうとしている会社や事業を、「事業承継M&A」によって引き継ぎ、成功を収めた実例の一部始終を紹介するドキュメンタリーとなっています。

たとえば、11月14日(日)に放送された回では、地元住民に愛されている昔ながらの焼肉屋を、その味に惚れた常連客が、業界未経験ながら事業承継をした事例が取り上げられていました。番組内では、経営の現場に密着したVTR内や、MCの加藤浩次さんとの会話などを通じて、承継した思いや今後の展望を語っていらっしゃいました。 このサイトを訪れた人は少なからず「M&A」や「事業承継」といったキーワードに興味がある人達だと思います。ネット記事とは違い、よりリアルな現場やエピソードを見ることができるので、事業承継に関心がある方は、是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

事業承継番組を提供するTRANBIとは?

さて、「タタムなんてもったいない!」の紹介はここまでにして、今回のコラムのメインでありながら、その番組を提供しているM&Aマッチングサイト「TRANBI」について扱っていこうと思います。

M&Aマッチングサイトについては、他の記事で説明しているため、ここでは簡潔に説明します。

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M&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)とは、プラットフォーム上に企業情報を登録することで、簡単に売却・買収候補探しをできるサービスです。手軽にいつでも、費用も抑えて、自分自身で案件をソーシングすることが可能なため、今やM&A市場(特に事業承継M&A)において、かなり大きな役割を果たすようになってきています。

しかし、このM&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)にも、

  • ①サイト上にダミー案件や質の低い案件が存在していること
  • ②専門家やコンサルタントの利用には別途追加費用を要すること
  • ③自分1人でディールを遂行しようとした際、経験や知識の欠如から、ディールブレイクを引き起こしてしまう可能性が存在すること

などといった課題が存在する上、現在では、質を問わず多くのM&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)が登場するようになったため、どのM&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)に登録したり、どこで案件を探したりすればいいのか、迷ってしまう人が増えてきているというのをよく耳にします。

そこで今回は、第三者視点である、我々投資ファンドの視点から、M&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)の一つであり、プラットフォームとして国内最大級の規模を誇る「TRANBI」について紹介したいと思います。

そもそも2016年に開設した「TRANBI」とは、中小企業庁や事業承継引き継ぎセンターなどと連携した民間のサイトでありながら、業界最大級の会員数91,904名を誇り、2021年には『Gomez M&Aプラットフォームサイトランキング2021 』にて、総合第1位*するなど、実績十分のM&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)です。

*このランキングは、中立的な第三者としての立場から客観的な評価を行うモーニングスター株式会社が発表したもので、「ウェブサイトの使いやすさ」・「サイトの安定性・セキュリティ」・「便利なサービス・機能」・「情報の充実度・信頼感」の4つの項目で評価・作成されたものになります

中でも、「TRANBI」は、「ウェブサイトの使いやすさ」で2位、「サイトの安定性・セキュリティ」で1位、「便利なサービス・機能」で2位、「情報の充実度・信頼感」で1位を獲得し、総合1位の座を手にしています。(ちなみに総合2位はBATONZ、総合3位はSPEED M&Aでした)

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ユーザーからの評価をベースにみると、「掲載案件の質が高いこと」・「サイトのセキュリティが安定していること」などが、強みとして挙げられそうですね。法人・個人とともに、案件掲載の際に履歴事項全部証明書や公的証明書等の登録が必須となっているという仕組みからもそれらが垣間見えます。

ここから、先に挙げた、M&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)の課題の、『①サイト上にダミー案件や質の低い案件が存在していること』は、他のサイトよりも解消できているのかもしれません。

TRANBIの特徴・評判・新料金体系は?

まず、TRANBIの特徴としては、国内では有数の規模・掲載件数を誇ることが挙げられると思います。先に述べた、会員数91,904名だけではなく、掲載案件数は約2,500件、成約実績は国内最多の190件越えと、第三者から見ても素晴らしい規模と実績であることがわかります。このため、買い手・売り手とともに、マッチング相手の選択肢を増やすことができるので、ファーストコンタクト前からしっかりと比較検討できるという検討フェーズでの強みは顕著にあると思われます。成約率(成約実績/掲載案件数)も7.6%と業界標準と比較しても高めで、それらの比較検討フェーズでの強みがしっかりと成約に寄与しているのだろうとも推測できます。

またここからは、数多くのM&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)を見てきた我々の所感(イメージ)を述べますが、TRANBIの特徴の一つとして、幅広い領域の案件をカバーしつつも、飲食や塾、小売店といっ店舗系ビジネスという、未経験者でも、比較的ビジネスのイメージがつきやすく、とっつきやすいスモールM&A向きの案件も豊富に取り揃えている印象があります。加えて、他と比べても、案件の検索性が高く、さらに深ぼって自分に適した案件を探していける仕様になっています。

評判としても、我々のサロンメンバーでは、「広報担当の方が気にかけてくれたりと、特に悪かったところ見当たらない」や「丁寧な対応をする売手が多いように感じる」といったようなものがあり、「信頼性が高いこと」が挙げられます。

一方、TRANBIの弱みについても少し述べましょう。

一つ挙げられるのは、競合となるBATONZが持つサービスであるM&A実行時のディールサポートの充実度です。BATONZでは、日本M&Aセンターが出資していることもありますが、FAや専門家の派遣制度といったものがあるので、M&Aの実行をBATONZプラットフォーム内のみで完結することができます。これに比べて、TRANBIでは、まだまだこの辺りが充実していないため、仲介担当者や売り手の裁量・技量によって、ディールの進行や成功が左右される可能性はあります。

また、評判としても、「お手頃な案件が多いイメージだが、まともな案件はまだ少ない印象」や「今のところいい案件にはめぐり合っていない」といった「案件の質」を指摘する声も存在します。これに関しては、「情報の充実度・信頼感」で1位を獲得しているTRANBIですら、この課題を抱えているので、正直これは、M&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)全体の課題であるということができるでしょう。

次に皆さんが一番気になる費用に関してもみていきましょう。

まず、これは多くのM&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)と同様になりますが、買い手も売り手もサイトへの登録料は無料になります。ちなみに、売り手は「M&A案件の掲載」・「買い手との交渉」そして「成約時の追加手数料」まで無料になっているため、売り手には嬉しい料金プランになっています。

新料金プランについて

そして、ここからが重要な内容になります。

もともとTRANBIは、案件が成約した際に、「最低手数料25万円+成功報酬を案件額の2%」が買い手側に課される方式を取っていました。これに加えて、買い手側には、M&Aを実行する際、DDや資料作成のための専門家・コンサルタントアサインが必要なケースが多いため、それらアドバイザリーフィーも費用も必要でした。この料金体系は、昔のTRANBIをはじめとしたほとんどのM&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)も採用していますが、「結局どのぐらいの費用がかかるのかわからない」・「思っていたより仲介料を取られて取り分が少ない」といった不満が出ていやことも事実でした。

そこで、2021年1月21日からTRANBIは、この方式からの変更を決意し、新しい料金体系である“月額プラン”が採用されました。これは、従来かかっていた成約時の手数料(成功報酬)をなくす代わりに、買い手にはプレミアムプランに加入してもらうものになっています。

プレミアムプランは、「TRANBIベーシック」・「TRANBIビジネス」・「TRANBIエンタープライズ」の3つにわかれており、プランによって「M&A専門家等による代理買い交渉」が可能になったり、財務DDにて不備があった場合に調査費用として1件15万円を負担してくれる「M&A後押し保険」がついたりします。(より細かい詳細については、TRANBIのサイトをご覧ください。)

この料金体系は、「TRANBIベーシック」・「TRANBIビジネス」・「TRANBIエンタープライズ」それぞれ違いますが、『○年に一件程度というレベルで成約できれば、従来の料金体系と比較してた際、元を取れる』計算になっており、何度もM&Aに挑戦したい人たちにとっては成約手数料が個別にかからないので、かなりのメリットがあるでしょう。なお、一件だけの人にとっては、有効になるかどうかは「ケースバイケース」といったところでしょうか。

この料金体系自体、かなりチャレンジングなものであり、他のサイトでもほとんど見かけないシステムであるものの、「本気でM&Aを実行したい人や小規模の案件にはおいてはメリットが大きい」と感上げております。この料金システムの導入が、買い手の実行や決断を後押ししてくれれば良いですね。

まとめ

ここまで、M&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)でも最大級を誇る「TRANBI」を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

まとめですが、「TRANBI」の利用には、まだまだ改善点をあるかもしれませんが、「国内有数の案件・規模数によって膨大な選択肢を持てること」・「掲載案件の質も担保できていること」などといった強みのほかに、新料金体制といった差別化を図る戦略も実施されるなど、楽しみな面も存在します。

第5回のQ&Aコーナーでも述べましたが、買い手にとっては、ソーシングの段階でできるだけ多くのM&Aプラットフォームを巡回し、できるだけ多くの候補先を見つけることが必要になります。(もちろん売り手にとっても、多くのサイトに登録することで売却確率が上がるのでメリットがあります)

関連記事→第5回Q&Aコーナーはこちら

そして、第三者を謳っている我々としても、その中の一つとして、『TRANBIに登録する』といった選択肢は、買い手にとっても売り手にとってもかなり有効であると、確信しています。この記事を読んで、会社を本気で買いたい、売りたいと思った方、登録をしてみたくなった方は、下記のリンクからお気軽にご登録ください。

また「タタムなんてもったいない!」をみて、実際のM&Aイメージを膨らませるのも有効でしょう。


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。


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