面談がスモールM&Aの成否を決める!?

面談がM&Aの成否を分ける

IMを分析して、交渉をさらに進めたいと思ったら、次のプロセスが「面談」なります。この面談がソーシングプロセスの最終段階です。M&Aは、とにかくこの面談に辿り着かないと話が進みません。序盤のやり取りはすべて、面談に辿り着くためにある、と言ってもいいでしょう。

先のコラムで、交渉開始のためには売り手オーナーを口説き落とすことが大事という話をしましたが、基本合意契約前のこの段階でもそれが必要です。この面談でオーナーを口説き落とせてこそ、M&Aを実行フェーズへと進めていくことができます。

面談前のプロセスは、売り手、買い手の双方は直接、顔を合わせることはなく、FAや仲介を通じたやり取りになります。そのやり取りを通じて、買い手としてのアピールをしてきたわけですが、そうしたやり取りで伝えられることには限界があります。

やはり、直接、顔を合わせて話をすることで、双方が得られる情報量は膨大です。言葉や言葉遣いに気を付けることはもちろんですが、立ち振る舞い方や表情など、言葉以外のコミュニケーションにも気をつけなければなりません。買い手としては、この面談で、自分はどんな人間か、いかに後継者にふさわしいか、その会社をどうしたいかなどを、改めてプレゼンする必要もあります。

大事なのは熱意を伝えること

私の運営するサロンのメンバーで、会社をすでに買った人たちは、最初の面談で、オーナーに気に入られたという人が多いです。そんな彼らが共通して口にするのが、熱意を伝えることの大切さです。それには私も同意します。私も面談では、その会社を買いたいという熱意を伝えるとともに、その会社を買ってどうしたいかという「夢」を語ります。それができてこそ、オーナーを口説き落とせるのです。

面談に向けては、しっかりとした事前の準備が必要です。資料を揃え、プレゼンも十分に練習してから臨みましょう。

また、面談では、自分をアピールすると同時に、オーナー側の状況、会社の状態についての情報も得なければなりません。ここでの情報が、次の基本合意契約に進むのかを決める判断材料になるからです。

この面談で双方が相手をどう思うかが、M&Aの成否をほぼ決めるでしょう。M&A序盤の山と言えます。

面談が成功し、双方が交渉を先に進めることに合意すれば、基本合意契約を結ぶプロセスとなります。

次のコラムからは、基本合意契約についての解説に入ります。


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。



こんなタグの記事が読まれています