資本家の思考方法や行動原則、いわゆる「資本家マインドセット」を今だけ無料で公開。今回はその第7弾です。
7-1 志望動機を人に聞くな
就職活動中の人から、「どんな志望動機を書いたらいいでしょうか」という相談を受けて、驚いたことがあります。
就活する側は、他人から教えてもらった優等生的な志望動機を書いて、とくに入りたいわけでもない会社に入り、採用する側は、そんな取り繕いのうまい人材を採用する。日本のサラリーマン社会はそうやって回ってきたのでしょう。ここに、日本経済の低迷の一因が潜んでいる気がします。
現代はビジネス環境がどんどん変化する時代であり、新型コロナウィルスのパンデミックがそれをさらに不透明にしました。若い人たちが、これから、そんな社会で生き抜いていくために、私が大事だと思うのは、自分の中から志望動機があふれてくるような仕事をすべきだということです。
私がサラリーマンに失望し、政治家になろうとして、民主党の公募のためにレポートを書いたときは、本気で政治家になりたかったので、泉から水が湧き出るように言葉があふれてきました。政治家としてはうまくいかなかった私ですが、そんな熱情に突き動かされて政治家になったのですから、その挑戦は私にとって、面白かった経験としてカウントされています。
仕事というのは、心が折れたらうまくいきませんが、心が折れなければ、成功するまで頑張り続けることができます。心が折れないよう自分を支えるのは、「自分はこれが好きだ」「自分はこれがやりたい」という熱意や信念です。
あなたはいまの仕事に対して、そんな熱意や信念はありますか。この問いにイエスと胸を張って言える人は、資本家マインドセットを持っていると言えるでしょう。
7-2 遊び偏差値リストを作ろう
資本家は探検家に似ています。探検家は自分が行きたい場所を見つけたら、どんな困難が予想されようが、そこに挑んでいきます。資本家も似たようなもので、自分が面白いと思うものを見つけたら、そこにお金も時間もパワーも注ぎ込んでいきます。
多くの人が面白い、価値があると思うものや場所には、お金も人も集まります。資本家にとって、どんなビジネスが多くの人を喜ばせ、価値があると思ってもらえるか、を見極める力は必要ですが、私はその必要性は二義的なものだと思います。資本家にとって、一義的に必要だと私が思うのは、自分自身が面白いと思うものを追求することです。
自分が何を面白いと思うのか。自分のお金と時間とパワーを掛ける価値があるものとは何なのか。それを知らなければ、好きなことを好きな人と好きなようにやる、という資本家の生き方を全うできません。
自分の好きなことを追求するために、私がやっているのが、これまで経験してきた遊びに偏差値をつけて、ランキングにすることです。
これまで経験したさまざまな遊びの中で、現時点で偏差値1位になっているのは、「キャンピングカーを使った秘湯巡り」です。この遊びは、ある年の正月の時期に、東北で実行しました。キャンピングカーで移動し、宿泊もキャンピングカーでできますから、拠点に縛られることなく広く移動できて、東北の秘湯をたくさん堪能できました。秘湯は山奥にあることが多いので、旅館に宿泊する場合は、秘湯から宿まで移動しなければなりませんが、その必要がありませんし、もちろん、バカ高い旅館の宿泊代も掛かりません。「キャンピングカーを使った秘湯巡り」は、私が自信を持っておすすめするアクティビティ、ナンバーワンです。
偏差値2位はスカイダイビングで、3位が沢登りです。ゴルフとナンパが同じ偏差値で、スノーボードよりも二度寝の方が少し偏差値が高い。この偏差値リストを眺めていると、自分ってこういう人間なんだという発見があります。
個人的な趣味の話に聞こえるかもしれませんが、資本家は「好きなこと」をする人たちですから、自分の好きなものを追求し、自分が好きなものを理解することは、資本家にとって、最重要のことになるのです。
7-3 声は大きく
私見ですが、資本家として成功する人の一番の共通点は、「声が大きい」ことだと思います。資本家として成功した人の中で、ボソボソと小声で話す人を、私は見たことがありません。資本家が集まってレストランで食事をしていると、店の人から「静かに」と怒られるのは日常茶飯事です。声が大きいというのは、資本家であるための条件だとさえ思うくらいです。
資本家の声が大きくなるのは、「自分はこれがやりたい」「自分にしかこれはできない」という強い思いがあるからだと思います。そんな強い想いが、資本家の大きな声には乗っているからこそ、他人の心を動かすのでしょう。
あなたは自分のやりたいことを、人前で大きな声で言えますか。資本家としての成功のカギは、そんなシンプルなところにあるのかもしれません。続いてのコラムからは、資本主義社会で資本家が有利な理由について、その根本的な部分を2回に分けて、紐解いていきたいと思います。
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記事監修
三戸政和(Maksazu Mito)
2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。