岡山のM&A・事業承継を解説。会社売却事例も含めてご紹介

山陽道の中央に位置する岡山県。さまざまな産業が盛んなのに加え、多くの方が行き来しています。事業を拡大するために岡山でM&Aを行おうと考えている方もいるのではないでしょうか?本記事では、岡山でのM&Aの傾向と事例について解説します。M&A仲介業者を選ぶ際のポイントについても触れていきますので、参考にしてください。

岡山の経済状況について

まずは、岡山の経済状況について見ていきましょう。

岡山の経済状況について

岡山県の平成30年度名目県内総生産は7兆8,057億円。建設業と鉱業がプラス成長になっているのに対し、製造業・不動産業・農業・金融・保険業はマイナス成長です。平成29年度名目県内総生産は7兆8,132億円。プラス成長は製造業と農業なのに対し、マイナス成長は建設業・卸売・小売業が挙げられます。年によって、名目県内総生産・プラス成長の産業・マイナス成長の産業が異なります。M&Aを行う際は、プラス成長の産業は一体何かだけでなく、マイナス成長の産業は一体何かも知っておくことが大切です。

岡山における休廃業・倒産・解散に関する状況

休廃業・倒産・解散を選択している会社も少なくありません。令和2年度における岡山の休廃業・解散件数は851件なのに対し、倒産件数は73件。

令和1年に比べ、休廃業・解散が11件増加しています。倒産件数も令和1年に比べて3件増加している状況です。休廃業・解散を選択している会社の中には、黒字決算の会社も見られます。M&Aを進めていく上で休廃業・倒産・解散のいずれかを選択している会社が存在している点について考えましょう。

ちなみに、令和2年に休廃業・解散を選択した会社の数は全国で5万6,103件。平成28年以降、休廃業・解散件数は倒産件数の約7倍の水準で推移している状況です。

岡山での後継者不在率

会社を休廃業・解散する理由のひとつに後継者の不在が挙げられます。M&Aを行う際、後継者が不在で悩んでいる会社を目にする可能性が高いです。

令和2年における岡山の後継者不在率は64.1%。後継者が不在の会社が数多く存在していると知って、驚いた方も多いのではないでしょうか?
2,325社がまだ後継者が決まっていません。また、後継者不在率が高い産業は一体何かも知っておきたいところ。岡山における後継者不在率を産業別に紹介しているので、M&Aの参考にしてください。

  • 建設業:69.9%
  • サービス業:66.3%
  • 不動産業:66.3%
  • 運輸・通信業:63.6%
  • 卸売業:63.0%
  • 小売業:63.0%
  • 製造業:58.5%
  • その他:65.6%

M&Aを行う前に知っておきたい岡山の主要産業

M&Aを岡山で行うなら、主要産業についても知っておきたいところ。岡山の主要産業は以下の3つです。

  • 農業
  • 鉄鋼業
  • 縫製業

ここでは、岡山の主要産業について解説していきますので、中国地方で事業を展開しようと考えている方は参考にしてください。

農業

岡山では、農業が盛んです。晴れの国と呼ばれる程、晴れの日が多いのに加え、穏やかな気候に豊かな水、肥沃な土と農業を行うのに恵まれた環境なのが特徴に挙げられます。耕地面積は約63,000ha。岡山の面積の10分の1程度です。岡山で栽培されている主な農作物は以下の通り。

  • ぶどう
  • ナス
  • トマト

糖度の高い桃を栽培しており、多くの方に愛されています。岡山と聞いて、桃を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?白鳳をはじめ、黄金桃や白麗など、数多くの品種が栽培されています。ぶどうもマスカット・オブ・アレキサンドリアとピオーネの2品種が生産量全国1位です。マスカット・オブ・アレキサンドリアとピオーネ以外にも、さまざまな品種が栽培されています。

鉄鋼業

第2次産業の生産額の割合が高く、鉄鋼業が盛んなことでも有名です。水島工業地帯では、鉄鋼業をはじめ、化学・石油などに関する会社が集まっていることでも知られています。コンビナートを形成しているのが特徴に挙げられます。

また、水島工業地帯は巨大な物流拠点として機能しているのもポイントです。岡山は瀬戸大橋の起点になっており、中国地方と四国地方を結んでいます。先進的な物流拠点を目指しているのも特徴的です。

倉敷市にあるJFEスチール西日本製鉄所は東京ドーム240個分の広さ。数多くの鉄が作られています。カットシートをはじめ、縞コイルや酸洗コイル、溶融亜鉛メッキコイルなどを製造している東京製鐵岡山工場も有名です。三菱自動車株式会社の工場も倉敷市に存在しており、軽自動車や電気自動車を数多く製造しているのが特徴的。プレスから最終組立まで一通り行います。

縫製業

岡山と聞いて、ジーンズや制服を頭に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?縫製業が盛んなことでも知られています。江戸時代から縫製業が行われており、歴史が長いです。M&Aを行う際、縫製業について注目したいところ。ジャパンブルージーンズをはじめ、桃太郎ジーンズ、管公学生服株式会社などの会社が有名です。

ファッション性や機能性など、多様なニーズに対応しており、さまざまな課題に取り組んでいる点も特徴に挙げられます。また、外国人研修生の受け入れを行い、教育・指導などを強化する動きが見られるのもポイントです。

岡山で行われているM&Aの事例

岡山では、皆さんが想像している以上にM&Aが行われています。事業を拡大していくためには、どのような事例があるかも知っておきたいところ。ここでは、岡山で行われているM&Aの事例について解説していきます。

雪国まいたけ

雪国まいたけは2019年に三蔵農林をM&Aで連結子会社化しています。堆肥製造に関するノウハウと生産能力を活かし、事業を拡大するのが目的です。

1983年に設立された雪国まいたけは何度もM&Aを行っているのが特徴的。2019年3月期の売上高は313億4,000万円、営業利益は45億3,600万円です。スーパーなどを訪れた際、雪国まいたけの商品を何度も目にしているのではないでしょうか?アメリカのベインキャピタルから出資を受けています。

センコーグループホールディングス

物流事業・ビジネスサポート事業・ライフサポート事業などに携わっているセンコーグループホールディングスは、2021年にダイヤクリーニングを完全子会社化しています。M&Aの目的はライフサポート事業の拡大。

ダイヤクリーニングは一般家庭向けにクリーニング事業やコインランドリー事業を行っている会社です。クリーニング業界で売上10位にあることでも知られています。

キーストーン・パートナーズ

キーストーン・パートナーズは2019年にジョンブルを買収。ジョンブルは倉敷市で学生服や作業服を製造している会社として有名です。アパレル業界での生き残りをかけ、新しい事業転換を行うのがM&Aの目的に挙げられます。

ウェルシアホールディングス

ウェルシアホールディングスは、1934年に創業された金光薬品を子会社化しています。M&Aの目的はウェルシアグループの中国地方進出の足掛かりにするためです。事業を全国展開する方法のひとつにM&Aが挙げられることを意識したいところ。

ウェルシアホールディングスと金光薬品は互いのノウハウを共有し、経営の効率化を目指しているのもポイントです。ノウハウが供給できるかどうかもM&Aを行うかどうかの決め手になります。

岡山で事業拡大するためにM&A仲介業者を選ぶ際のポイント

M&Aを行う際、どの仲介業者にサポートして頂くかも重要になってきます。ポイントを押さえ、信頼できるM&A仲介業者を見つけましょう。選ぶポイントとして、以下のものが挙げられます。

  • 岡山で実績を出しているか
  • 岡山の産業に関する知識があるか
  • 報酬体系などを分かりやすく提示しているか
  • 買い手だけでなく売り手の立場も考えられるか

ここでは、M&A仲介業者を選ぶ際のポイントについて説明していきます。

岡山で実績を出しているか

まず、岡山でM&Aに関する実績を数多く出しているかどうかが依頼するポイント。規模や地域によって、得手不得手が存在しており、細かくチェックすることが大切です。M&A仲介業者によって、実績の有無が異なります。

岡山の産業に関する知識があるか

依頼しようと考えているM&A仲介業者が岡山の産業に詳しいかどうかも決め手のひとつ。専門的な知識があると、適切なサポートを受けることができ、M&Aを効率よく進められます。もちろん、M&Aの知識が豊富かどうかも重要です。

報酬体系などを分かりやすく提示しているか

報酬体系などが分かりにくいと依頼しにくいと感じている方も多いのではないでしょうか?トラブルを避けるためにも、報酬体系や相談料、手数料について細かくチェックしておくことをおすすめします。

M&Aにかかる費用について分からないままだと、想像以上の費用が発生するかもしれません。何か分からないことがある際は、M&A仲介業者に相談し、疑問を解消することが大切です。

買い手だけでなく売り手の立場も考えられるか

買い手の立場だけでM&Aを進めるのは避けたいところ。売り手の立場に立って考えられるかどうかも重要です。会社によっては、身内に跡を継がせたいと考えている場合があります。

M&A仲介業者に依頼する際、買い手と売り手の両方の立場に立って考えられるかどうかもポイントになってきます。売り手の気持ちを汲み取れるかどうかが成功するかどうかの決め手です。

岡山でM&Aのサポートを行っている仲介会社

岡山でM&Aのサポートに携わっている仲介会社が何社か存在します。各会社の特徴を知り、依頼するかどうか判断したいところ。ここでは、岡山でM&Aのサポートを行っている仲介会社の主な特徴について解説させて頂きます。

岡山M&Aセンター

岡山M&Aセンターは、中堅・中小企業のM&Aに特化したM&A仲介会社。買い手と売り手に寄り添ったアドバイスはもちろん、事業再編・事業再生のコンサルティングを行っているのが特徴に挙げられます。各種スキームを作成し、事業再生計画の支援を行います。約950社に及ぶ会計事務所と繋がっており、M&Aに関するノウハウを蓄積している点もポイントです。

M&A総合研究所

M&A総合研究所は、AIシステムを用いてマッチングする可能性が高い会社を分析し、M&Aをサポートしているのが特徴的。譲渡企業にかかる着手金と中間報酬が無料なのもポイントです。M&Aの費用を少しでも抑えたいと考えている方は一度相談してはいかがでしょうか?依頼から成約までにかかる期間は平均6.2ヶ月。いち早く成約できるかどうかも事業を拡大する上で重要になってきます。

クレジオ・パートナーズ株式会社

クレジオ・パートナーズ株式会社は、中国地方と四国地方に基盤を置いているM&A仲介会社。地域の経営者や金融機関などとの繋がりをM&Aに活かしています。中立性を保つのはもちろん、秘密厳守を徹底しているのも特徴のひとつです。

コミュニケーションの早さだけでなく、経営者の立場に立ってアドバイスを行っているのもおすすめできるポイント。分かりやすいコミュニケーションを意識しています。

岡山県事業承継・引継ぎ支援センターに相談するのも選択肢のひとつ

岡山県事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者不在などの悩みに寄り添い、的確なサポートを心掛けています。公的機関のため、相談・支援にかかる費用は無料です。紹介されたM&A仲介会社・士業事務所に依頼した場合に手数料が発生します。岡山の産業や会社、M&Aなどに関する知識やノウハウが無く、M&Aを上手く進められるかどうか不安と感じている方は、一度相談してはいかがでしょうか?

まとめ

岡山は農業をはじめ、鉄鋼業や縫製業などの産業が盛んです。さまざまな会社が後継者の不在などに悩まされています。M&Aを行う際、売り手の気持ちを汲み取り、取引を進められるかどうかが重要になってきます。

岡山の産業などに関する知識がない場合、M&A仲介会社に一度相談してはいかがでしょうか?場合によっては、思いもよらないアドバイスを頂けるかもしれません。買い手だけでなく、売り手の立場に立ってサポートできるかが依頼するかどうかの決め手。

M&Aは事業の維持・拡大を行う方法のひとつです。気になる会社を見つけた際、どのような技術・ノウハウを持っているかだけでなく、どのような悩みを抱えているかも把握しましょう。

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