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簿記を学ぼう(PL編)

P/L(損益計算書)について学ぼう

皆さんは、簿記や会計についての知識を、どのくらいお持ちでしょうか?

最近では、弊社代表三戸の著書『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさいー人生100年時代の個人M&A入門―(講談社+α新書)』等を通じて、M&Aに興味を方々も増えつつありますが、未だに多くの人が、M&Aで必要となる基礎的な簿記、会計の勉強を毛嫌いしてしまい、会社を買うチャレンジを諦めざるを得なくなっている、という印象も受けます。

そこで今回のコラムでは、必要最低限の会計、簿記知識について、ゼロからわかりやすく解説していこうと思います。

*こちらは、これまで全く簿記や会計に触れたことがなかった方、本などの解説では難しくて理解できないという方に向けたコラムです

会社はいくらで買える?その計算には、PL(損益計算書)への理解が必要!

個人M&Aの実践を考えたとき、まず、できるようになりたいことは「会社の値段(いくらで買えるのか)」の計算ですよね。

スモールM&Aにおいて、会社の値段(株式価値ともいいます)はおおよそ

「純資産+営業利益×3年~5年分」

が相場となっています。まずは、この計算をできるようにするため、今回のコラムでは、「営業利益」にフォーカスして解説を加えていきます。「純資産」については別のコラムで説明しています。

おさらいですが、純資産はマンションを例に、購入価格(資産)ではなくローン(負債)を差し引いた本来の価値、実態価格(純資産)として説明しました。そしてこれは、「貸借対照表(Balance sheet=B/S)」に表示されましたが、あくまでも過去の成績と現在の会社の状態を数値化したものでしかなく、現在のキャッシュフローや将来の予測をすることは難しいです。そこで今回の「損益計算書(Profit & Loss statement=P/L)」が登場するのです。

関連記事→簿記を学ぼう(BS編) 

また、例として、マンションを挙げます。今回のマンションは、「住む」のではなく、「貸し出す」=投資用のマンションを想像してください。購入したマンションを貸し出すとなると、借主からの家賃(売上)と管理費や維持費の支払い(費用)が発生し、これを差し引いた金額が収入(営業利益)として入ってくる流れとなります。

会社においてもこれは同様で、「売上から費用を差し引いたものが営業利益」となります。ここで「営業」と付くのは、一旦、無視してもらって構いません。この「売上」から各種の「費用」が引かれていき、「利益」として残るという流れが、「損益計算書(Profit & Loss statement=P/L)にて、示されています。

ちなみに、+αの知識として、利益の種類として、営業利益以外に他にも、営業には直接関係のない費用を差し引いた「経常利益」、経常利益から税金を支払った後の「最終利益」などがありますが、会社を買う場合の価値算定の基準となるのは、「本業の実力を表す利益」である「営業利益」です。

PL(損益計算書)の理解を計算で

もう一度、P/Lについておさらいしましょう。会計上、「売上」は右側に、「費用」は左側に記載されます。そして、通常運転の会社なら、売上が費用を上回るので、差し引いて残った「利益」が左側に記載されます。

また、前述の通り、利益にも多くの種類があり、営業活動に必要な費用を差し引いた「営業利益(本業の実力を表す利益)」、営業活動以外で使った費用を差し引いた「経常利益(通常の経営成績を表す利益)」、経常利益から税金を差し引いた「最終利益(最終的な経営成績を表す利益)」があり、通常はこれらを含めた形で損益計算書が完成します。

例えば、A社には多様な販売を通じて「売上」が10億円存在し、人件費や販管費などの「費用」が8億円存在したとしましょう。すると「利益」は

10億円(売上)−8億円(費用)=2億円(利益)

となります。

つまり今回の場合、A社には、2億円に利益が存在し、これをもとにA社は新規の投資や会社の買収など行えるようになります。

次に、B社の損益計算書を見てみます。各項目は、下図のようになっていました。この図を見ると、B社の営業利益は2億円、経常利益は1億円、最終利益は0.5億円ということがわかります。

もし、B社の貸借対照表上に純資産5億円が存在していた場合、冒頭で記載した通り、会社の価格は、おおよそ「純資産+営業利益3年から5年」が相場であるため、「5億円(純資産)+6~10億円(営業利益3年から5年)=11~15億円(会社の価格)」が、B社の株式価値・買収額の目安となるだろうと算出できます。

関連記事→IRR(内部収益率)についての記事はこちら

最後に

このように、損益計算書を見れば、おおよその会社の能力・収益が把握できます。

自分で損益計算書をゼロから組み立てられるようになる必要は全くありません。しかし、スモールM&Aといえども、多少の「財務諸表を読み、会社の状態を把握する力や目線感」は必要となります。1つ1つ、丁寧に学んでいけば、それほど難しいものでもありませんので、ぜひ、続きも読み進め、簿記、会計への理解を深めていってください。

関連記事→さらに学びたい方用へ「減価償却とは?」


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。



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