IM(企業概要書)とは?読むポイントを買い手目線で投資ファンドが解説

IMは会社の買収に乗り出すか否かを決める重要な情報です。この記事では、IMを読む上で重要なポイントについて解説していきます。

IM(企業概要書)とは?

M&A仲介会社を介して会社を買おうとする際に、まず会社の選定を行います。そこで、まず手に入れるのは「ノンネームシート」という情報です。

関連用語→ノンネームシートとは?

これは匿名で、事業内容、利益、資産、そしてエリアなどの簡単な情報が書かれたものです。買い手側はこのノンネームシートを見て、興味があれば次の段階へと進み、仲介会社からIMという資料を得ることになります。

IMとはインフォメーションメモランダムの略で、ノンネームシートに比べてより詳細な情報が記載されています。対象の会社の事業内容、財務状況、資産状況、そして事業分析など買収に必要な情報が書かれており、買い手はこれを分析することで実際に買うのかどうか判断することになります。

関連用語→IMとは?

それでは、IMに記載されている内容と、読む上で重要なポイントを解説したいと思います。

IMの記載内容について説明

通常IMを見ていく上で、メインの内容となるのは以下の3つとなります。

①会社概要

会社の名前、資本金、株主構成などといった会社に関する基本的な情報が記載されています。

②事業概要

会社で販売している商品やサービス、そして仕入れ先などといった詳細なビジネスの内容が記載されています。

③財務概要

対象会社の財務状況が記載されています。損益計算書(P/L)や貸借対照表(BS)が主な内容となります。

IMの主な内容は以上の3つですが、それぞれ見ていく中で重要なポイントがあります。次のチャプターではその重要なポイントについて説明します。

IMを読む上で重要なポイント

IMを読む上で重要なポイントは非常に多くあります。今回はその中でも以下に記載したポイントについて説明します。

①P/Lを見る

②BSを見る

③会社概要を見る

それでは、①〜③のポイントについて説明します。

①P/Lを読む

P/Lとは損益計算書のことであり、会社の売上や利益に関して記載されています。

関連記事→簿記を学ぼう(P/L編)

1年間だけのP/Lを見るのではなく、数年間の数字を比べてみることが重要となります。その中で絶対額と割合の両方を見ることは必ずした方が良いでしょう。

主に見ていく項目は、売上高、粗利率、販管費、販管費比率、EBITDAです。

売上高、粗利率、販管費、そして販管費比率は数字の推移とその原因について考えましょう。それぞれ上がっていたり、下がっていたりするのには必ず理由があります。よく数字を見て数字に妙な狂いがないか確かめることが大切です。また、これらの数字を同業で規模が同じくらいの他社と比べることも重要です。

また、EBITDAについてですが、これはM&Aではよく出てくる単語で、営業利益と減価償却費を足したものになります。ここから税金を引けば、年間にどのくらいのキャッシュが残るのかが分かります。中小企業のM&Aは、EBITDAの3~4倍が買収価格の目線となります。

②BSを見る

BSとは貸借対照表のことであり、会社の保有資産、負債、そして純資産を見ることができます。

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BSを見る際には特に現金の動きを見ましょう。

P/Lの時のように他の数字と比較しながら、なぜこのような数字の変化になったのか、理由を考えながら、数字におかしな点が無いのか見ていきましょう。ここで実際にBSから読み取った事例を以下に記載します。

ある年から現金は減っているのに、売上は変わっていません。売上は出ているのにも関わらず、現金が減っているというわけです。ここでBSを見てみると棚卸資産が増えているということがわかりました。要するに、現金が在庫に変わっていたということが想像できます。

このようにBSの数字の変化からなぜそうなったのかを考えることで財務的にボロボロかどうかをみることが重要なのです。

①と②の項目から分かるように、M&Aをする上では簿記3級レベルの知識は必須となっています。M&Aに興味がある方は、簿記の勉強もしておくことをおすすめします。

③会社概要を見る

会社概要を見るときにもいくつかポイントがあります。

まず、役員の役割分担と年齢を確認しましょう。事業承継は年齢が高い人が多いので、引き継いだ後も働いてくれそうかをチェックし、キーマンにはヒアリングもしておく必要があるでしょう。

続いて、業歴を確認しましょう。売り上げの安定度はやはり業歴が長い方が高いです。主力の事業が変わっているケースもあるので、もし数年前に変わっていた場合、業歴はそこからと考えます。

また、株主構成も見ましょう。中小企業では株主が追えないことがあります。そうすると弁護士を入れて面倒な作業が必要になってくるので、現在の株主がきちんと追えるかどうか、もし代わっていれば、株式譲渡契約書の証書などから終えるかどうかをしっかり確認します。

以上①〜③のポイントがIM(企業概要書)を読む上で重要なポイントとなります。

最後に

今回の記事ではIM(企業概要書)に記載されている内容と、読んでいく上で重要なポイントを説明しました。この記事は、代表三戸が運営するオンラインサロン「個人M&A塾」内の勉強会をもとに書かれています。このサロン内の勉強会では、過去の具体的な事例をピックアップしながら、I Mを読む上で重要なポイントをより詳細に説明しました。また、勉強会ではサロンメンバーからの質問を交えながら、理解を深めていきました。

オンラインサロン「個人M&A塾」では、このように代表三戸を中心にM&Aのノウハウを共有していく中で、メンバーと切磋琢磨し、個人M&A・スモールM&Aに挑戦する環境が構築されています。

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記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。


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