起業ではなく会社を買う(M&Aする)べき理由

これは、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」をサイトverでより詳しく解説したコラム(全コラム無料)の第8話/全17話になります。字数や語彙などをはじめ、サラリーマンや学生が通勤時間などといった片手間に読みやすい形にしているので、ぜひお気軽にご覧ください。

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8-1 起業よりM&Aをおすすめします

会社を持つには起業をする方法もありますが、私は起業はおすすめしていません。なぜ起業ではなく、「会社を買う」べきなのでしょうか。

答えはシンプルです。

起業は非常に難しいからです。

起業はちょっとやそっとのことでは成功しません。私はこれまで1000人を超える起業家と会ってきましたが、彼らは強靭な精神力を持ち、すこぶる強運の持ち主で、やはり、普通の人とは違う、選ばれた人間だと感じます。私自身、彼らみたいにはなれないと思っています。

ベンチャービジネスの世界には「千三つ」という言葉がありますが、これは起業した1000社のうち、上場にたどり着けるのは3社という意味です。起業して成功するのは0.3%。これが起業の世界です。

8-2 「会社を買う」ことは普通の人でもできる

一方、「会社を買う」場合、基本的に、その会社はそれまで経営が順調に行われていたところです。その会社が引き継がれても、前のオーナーがやっていた通りのやり方をすれば、経営は滞りなく回るはずです。

10年以上の実績があれば、経営の安定度はかなり高いでしょう。そんな会社を引き継ぐことは、特異な能力を持たない普通の人でも十分にやっていけます。

もちろん、起業に強い意欲を持ち、才能も持ち合わせた人が起業に挑戦するのは素晴らしいことですから、起業の可能性を否定はしませんが、人には向き不向きがあり、起業に向く人は限られるでしょう。

しかし、「会社を買う」ことはごく普通の人でも十分可能です。資本主義システムの中で豊かな暮らしをしたいと考え、資本家になりたいのなら、「会社を買う」という選択肢の方がリーズナブルであることは間違いないでしょう。

8-3 自分の時間を自分でコントロールする

会社を買うことにはもちろんリスクはあります。

会社経営は、雇われる側とは違った働き方になりますし、経営者としての責任も重圧も増えます。会社を買うための借金など、金銭的なリスクを負うこともあるでしょう。私はこの道が簡単だと言っているわけではありません。向き不向きも当然あります。仕事をサボっていても毎月の給与が保証されるサラリーマンとは違い、経営にきちんとコミットして、経営をコントロールする必要もあります。

そんなリスクを取ってでも、会社を買おうと呼び掛ける理由がもう1つあります。資本家であれば、自分の時間を自分でコントロールできるようになることです。

人間にとって大事なものは何かと問われたら、皆さんは何と答えるでしょうか。一番大事なのは「命」でほぼ一致するでしょうが、2番目はどうでしょう。

私はそれに「自分の時間」と答えます。自分の時間はどんな人であれ、1日24時間しかありません。私はこの貴重な自分の時間をいかに良く生きるかが、なにより大事なことだと思うのです。

サラリーマンであれば、リスクは少なく、得られるお金は安定しているかもしれませんが、自分の時間の大部分を会社にコントロールされます。でも資本家ならば、自分の時間をどう生きるかを自分で決められます。仕事に使うにしろ、遊びに使うにしろ、自分で判断して、自分のやりたいことができます。

1日24時間というそれぞれに与えられた時間を最大限利用して、自分がどう人生を楽しむか、どんな価値があるものを生み出すか。それらを実現するために、私は資本家という人生を歩んでいるのです。

自分の時間の使い方を、会社やほかのだれかに決められるのではなく、自分で決めて、好きなことをして生きる。そんな人生に魅力を感じ、そういう生き方をしたいなら、それにもっともリーズナブルに近づけるのが、「会社を買う」という選択肢なのです。

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続いてのコラムでは、サラリーマンがM&Aによって中小企業を買うことは、日本社会を救うことにもつながるというお話をします。

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記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。


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