資本家マインドセット(著:三戸政和) WEB版 vol.5

資本家の思考方法や行動原則、いわゆる「資本家マインドセット」を今だけ無料で公開。今回はその第5弾です。

5-1 金の卵を産むニワトリを手に入れる

資本家は、持っているだけで利益を生んでくれる、「金の卵を産むニワトリ」を持っています。会社の株や著作権、特許などが金の卵を産むニワトリに当たります。

起業家や発明家、作家などは、自分で金の卵を産むニワトリを生み出して所有することができます。しかし、会社を起業すること、特許を得るための研究開発をすること、著作権をもつための作品を制作することなど、ゼロからニワトリを生むのは非常に難しく、才能と運に恵まれた一部の人にしかできません。

でも、そんなニワトリを、自分で生み出さずとも持つ方法があります。ご承知の通り、そんなニワトリをだれかから譲ってもらえばいいのです。ニワトリをだれかからもらって、育てていくことは、特異な才能を持たないごく普通の人にも可能です。

ユニクロの柳井正さんは、親からもらったニワトリを、見事な金の卵を産むニワトリに育て上げました。ミリオネアの顔ぶれを見ると、柳井さんのような、2代目、3代目の人が目立ちます。

すでにコラムでお話ししているように、いまの日本では後継者がいないゆえに廃業に追い込まれる会社が少なくありません。そんな会社を買えば、だれでも、会社という金の卵を産むニワトリを手にすることができます。いまの中小企業の現状と会社を買う方法を知ることが、資本家として生きる第一歩となるのです。

5-2 ムダな時間撲滅運動をしよう

資本家とは日々、「ムダな時間撲滅運動」を続けている人です。

たとえばポイントカード。私の知る資本家で、コンビニでポイントカードを出している人をはいません。お金があるからポイントなんていらないと考えているわけではありません。ポイントカードに加入して、常時携帯し、支払いの度に「ポイントカードはありませんか」と言われ、カードを探して差し出して、また受け取るという時間が、ムダだからです。

たとえば洋服。資本家には、アップルのスティーブ・ジョブズやFacebookのマーク・ザッカーバーグのように、いつも同じような服を着ている人が目立ちます。それは毎朝、「きょうは何を着ようか」と考え、服を選ぶ時間がムダだからです。私自身のクローゼットにも、時間を掛けずに選べる服ばかりが並んでいます。

たとえばiPhoneでの仕事。私はいま、仕事のほとんどをiPhoneで済ましていますが、その理由は、パソコンを使って仕事を始めるには、椅子に座り、電源をつないで、パソコンを開いて電源を入れて、起動を待つことが必要で、そのアイドリングの時間がムダだからです。

iPhoneなら仕事をしようと思った瞬間に作業を始められます。ムダなアイドリングをなくすと仕事はどんどん早くなります。iPhoneだとできる仕事が限られると思うかもしれませんが、「iPhoneしかない」と思えば、iPhoneだけでもかなりのことができるものです。

たとえばメール。私は仕事仲間や友達から、メールやメッセージの返信が異常に早いと言われています、着信したメールはすぐに読んで、返信する必要があれば即、返信します。返信はじっくり考えてからした方がいいという人もいるかもしれませんが、こちらの返信がたとえ80%のものだったとしても、相手から再返信が来て、それに即レスで答えればすぐに100%になります。こちらの方が明らかに効率的でしょう。

すぐに返信しない場合は、あとで返信することを記憶しておかなければなりませんし、返信メールを書くときに、該当メールを探して、読み直さなければなりません。それらのいずれも必要のない行動が増えてしまいます。

私は、メールを処理する時間を最小にしたいので、メーラーの振り分け機能を活用して、必要なメールにムダなメールが混じらないようにしています。メールをゴミ箱に捨てる0.1秒ももったいないので、読まないメルマガは即、配信停止にします。未読メールを何百件も溜めている人がいますが、私にはちょっと理解しがたいです。

モノでも情報でも、何かを抱え込むことはそれ自体がコストになります。そこから自由にならなければ、自分の時間を増やすことはできません。

記憶する行為がムダだというのは、友人のアスリートでも同様に考えている人がいました。パラアスリートの成田緑夢さんです。彼と同じホテルに宿泊することになり、フロントでチェックインして部屋のキーを受け取ったとき、彼は自分の部屋番号を、すぐにスマホのボイスメッセージに吹き込んでいました。トップアスリートも、私たち資本家と同じように、ムダを徹底的に排除しているんだなと感じました。

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記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。


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