カーブアウト財務諸表とは、ある企業の全体ではなく、一部の事業を切り出して売却する（これをカーブアウトM＆Aと呼びます）際に作成される、売却対象となる当該一部事業に関する財務諸表のことを指します。カーブアウトM＆Aの際には、子会社にとっては、今まで当然のように享受・共有できていた親会社からの恩恵がなくなるために、非効率や利害調整の必要性が生じてしまうという、スタンドアローン問題が発生することがあります。これによって、親会社の元を離れた子会社は、単独でバリューを発揮することは難しくなる一方で、買い手としても、この問題を正確に把握することは難しく、企業価値と買収価格に乖離が生じてしまいます。このような乖離に対処するために、カーブアウト財務諸表というものは作成されますが、自力での作成は難しく、精度も低くなってしまっているのが、現状課題として存在しています。
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記事監修
三戸政和（Maksazu Mito）
2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。