飲食店業界におけるM&Aの現状やメリットを解説!おすすめのマッチングサイトも紹介

飲食業界は、参入障壁が低いことから新規出店が非常に多い業界のひとつ。一方、3年で廃業する飲食店は7割~8割をこえるほど継続が難しい業界でもあります。しかし、適切なM&Aを行うことであなたの大切なお店をよりよい状態で存続できたり、資産として新たな価値に転換できます。この記事では飲食店M&Aの現状やメリットを徹底解説しているので、飲食店のM&Aを迷っている方はぜひ参考にして下さい。

飲食業界の現状

現在の飲食業界全体の市場は、大きな転換期にあります。2019年以降から市場規模は年々減少し、最近になってようやく回復傾向です。ですがまだまだ深刻な状況には変わりありません。テイクアウトやオンラインサービスなど、変化に取り組んでいる飲食店は数多くありますが、そんな中検討していただきたいのがM&Aです。そこで本記事では、飲食店のM&Aの現状、飲食店のM&Aの事例やメリット・デメリットなどをご紹介します。

コロナによる飲食店への影響

みなさんご存じの通り、コロナウイルスによって売り上げが減少した飲食店、倒産した飲食店は多くあります。2020年には倒産した飲食店は842件と過去最多となりました。飲食業界は大ダメージを受けましたが、現在はというと、売り上げもコロナ前の2019年と比べて変わらないくらい回復してきています。飲食店は業態変化の最中です。新しい形態やサービスが次々生まれていますが、飲食店のM&Aは固定費や人件費を削減できるなどメリットが多く、昔から注目されているシステムです。

飲食店M&Aの現状

まず、飲食店M&Aの現状について解説します。

個人店でもM&A利用は増加

近年では「スモールM&A」という個人事業主向けの飲食店M&Aが注目を集めています。スモールM&Aの明確な定義はないですが、売り手や買い手の年間売上額が1億円以下、または譲渡価格が1億円以下の場合をさすのが一般的。会社員をやりながら飲食店経営など二足のわらじを履いて働く人が増えているため、増加傾向にあります。

店舗立地の確保を目的とした案件が増加

飲食店経営は、立地や周辺環境の影響を非常に強く受けます。もちろん料理のクオリティや品揃え、価格帯やオーナーの人柄など繁盛店になるか否かの要因はたくさんあります。また、店舗周辺の顧客層と買収主の事業内容がマッチするかも重要なポイントです。

そのため、大手チェーンの飲食店企業が好立地を確保することが目的で、既存店を買収するケースが増加。大手チェーンが買収先として考える条件は、立地や建物に魅力があるものの業績不振の飲食店です。

飲食店M&Aの価格相場

次に、飲食店M&Aの価格相場について解説していきます。

飲食店M&Aの相場目安とは

飲食店M&Aの相場は、実際にM&Aマッチングサイトで検索すると売却希望価格が安い店舗は250万円程、売却希望価格が高額ですと5億円の店舗も。条件によって異なりますが、個人店の場合は250万円〜1,000万円前後が多く見られます。

M&A相場は大きく変動する

相場が大きく変動する理由として、

  • 売上高
  • 店舗の総面積
  • 立地や付帯設備
  • ジャンル
  • ブランド力

以上の他にも様々な要因が絡んで相場が変化します。評価を高めるポイントとしては、好立地で設備や什器が充実していることや、優秀な従業員がいて継続雇用が可能なことなどが挙げられます。

飲食店のM&Aの相場

飲食店を一から始めようと思うと、相当な金額がかかります。M&Aをして始めるのであれば、先程も言った通り、固定費などのコストを抑えて始めることが可能です。もちろんM&Aをする店舗や立地、どのくらいの規模かなどにより金額は異なるので、相場を出すことはなかなか難しいです。ですが一般的に一から飲食店を開業するのと比べると、半分以下、もしくはそれ以上にコストを抑えて飲食店を始めることも可能なのでかなり魅力的です。飲食店を始めてみたいと思っている方は、M&Aをするにしてもしないにしても、一度見ておくことがおすすめです。

類似事例を分析して想定しよう

飲食店M&Aは相場が大きく変更するとはいえ、自身の立場と似たような類似事例を参考にすることで大体のイメージができます。期間、費用、条件などを元に過去の事例を調べてみましょう。事例の一部を記事後半にて紹介しているので、合わせてご覧いただければ幸いです。

飲食業界でM&Aを行うメリット

飲食店のM&Aをすることで、コストが削減できるのは前述で少し書きましたが、他にもメリットはあります。譲渡側と譲受側でメリットは異なるので、それぞれ確認しておきましょう。

飲食店のM&A 譲渡側のメリット

飲食店を売りたい、誰かに譲りたいときのメリットは、主に3つです。

  • 廃業する際、資金を得られる
  • 相手次第ではそのまま継続で働くことも可能
  • 後継者や従業員の確保

利益が上がらずお店をたたむことを考えている方や、長年経営してきて引退を考えている方は、M&Aで売却することによりまとまった資金を得ることが出来ます。廃業後も安心した生活を送ることが可能です。また、信頼できる方に譲ることが出来れば、自分の後継者として引き継いでもらうことが出来るので、一歩引いた場所から事業拡大に協力することも出来ます。従業員もそのまま譲渡出来るので、経営に関して心配することはありません。

飲食店のM&A 譲受側のメリット

飲食店を買いたい、譲り受けたいと考えている方のメリットは、先程の通りまずは、初期費用の削減です。その飲食店のものをそのまま引き受けることが出来るので、コストを大きく抑えることが出来ます。人材も確保することも出来るので、M&Aによって面倒な手間を省くことも出来ます。譲受した企業の知識を得られたり、一から始めるよりも新しい発見があるかもしれません。

飲食業界でM&Aを行うデメリット

もちろんデメリットもあるので知っておいた方が良いです。しっかり確認しておきましょう。

飲食店のM&A譲渡側デメリット

お店を譲渡する際のデメリットは、なかなか希望に合う買い手が見つからない可能性があるということです。M&Aを行う場合は、しっかりと譲渡する相手を確認しておかないと、面倒なことに巻き込まれることもあるので注意する必要があります。なので、見つかるまで多少根気が必要です。

飲食店のM&A 譲受側デメリット

従業員もそのまま引き継ぐ場合、人材を確保できることはメリットでもありますが、デメリットでもあります。もちろん以前の経営方針とは異なるため、不満を持ち始める従業員が出る可能性があります。うまく噛み合わなかったり、思わぬ弊害が出てくることもあるので、しっかりと対策してからM&Aを行うようにしましょう。

飲食店M&A事例紹介

飲食店M&Aのメリットとデメリットが分かったところで、実際の事例を紹介します。いずれも個人店の事例のため、ご自身の店舗に置き換えて読むとイメージが湧きやすいでしょう。

サンマルクホールディングスのM&A事例

サンマルクホールディングスは、サンマルクカフェなどカフェやレストランのフランチャイズ展開を行っている企業です。サンマルクホールディングスの完全子会社である「株式会社サンマルク」、ベーカリーレストラン事業を行っている「株式会社バケット」、寿司事業の「株式会社函館市場」の3社の収益化が難しくなってきたため、吸収合併することを決めました。このように、経営が困難になってきた子会社をM&Aで合併させ、利益を目指していくという形もあります。

吉野家ホールディングスのM&A事例

「吉野家」が有名な吉野家ホールディングスですが、「はなまるうどん」なども吉野家ホールディングスに属しています。子会社で複数の商業施設や飲食店の事業を行っている「株式会社グリーンズプラネット」の全株式を、商業施設や飲食業、グループ間のシステム管理などを行っている「フライドグリーントマト株式会社」に譲渡することを決めました。吉野家ホールディングスはM&Aに積極的な企業で、近々M&Aに100億円を投じる計画を立てています。ラーメン事業を買収するという噂もあり、「牛丼」「うどん」「ラーメン」の3本柱になる可能性が高いです。

JFLAホールディングスのM&A事例

外食店舗の運営、食品や飲料の生産・販売・卸売など多くの事業を行っているJFLAホールディングスは、関東中心に飲食事業を行っている「栄喜堂株式会社」の全株式を取得しました。栄喜堂を子会社にすることにより、生産や販売のシステムを強化し、効率の良いビジネスモデルを構築することを目指しています。

飲食店のM&Aおすすめマッチングサイト3選

実際の飲食店M&A事例をみると、出来るかもしれないという気持ちが湧いてきたのではないでしょうか。しかし、1人でM&Aを始めるにはあまりに負担やリスクが大きく相手を見つけるのも至難の業。

M&Aマッチングサイトとは、インターネット上でM&Aの相手企業を探せるサービスです。
この頼もしいサービスを利用することで、あなたにピッタリのM&A先と出会える可能性が高まります。今回は、参考までに飲食店M&Aにおすすめのマッチングサイトを3つ紹介します。

トランビ(TRANBI)

  • 運営会社:株式会社トランビ
  • ユーザー数109,056名
  • 案件数:2,717件以上
  • 累計マッチング数:非公開
  • 手数料(売り手):無料
  • 手数料(買い手):成約時のみ成約価額の3%

トランビ(TRANBI)は2011年に誕生した国内最大旧規模のM&Aマッチングサービスです。飲食や小売を始めとする業界から、医療、介護、サイト売買など幅広いジャンルを取り扱っています。さらに、M&Aプラットフォームランキング2年連続1位。信頼性を兼ね備えているため、初めての方でも安心して利用できる点がおすすめです。

公式サイト:https://www.tranbi.com/

スピードM&A

  • 運営会社:株式会社スピードM&A
  • ユーザー数:10,000人以上
  • 案件数:2,000件以上
  • 累計マッチング数:未公開
  • 手数料(売り手):無料
  • 手数料(買い手):成約時のみ成約価額の1.5%~5.0%(最低金額20万円)

スピードM&Aは、会社名の通り売り手と買い手の直接交渉によりスピーディーに行うことに徹したマッチングサイトです。そのためチャットを使用したユーザー同士のやり取りがメイン。秘密保持契約の締結機能やファイルの添付機能など、豊富な機能が備わっているためストレスなくやり取りを進めることができます。買い手側の最低手数料も20万円と非常に安く、お互いに使いやすいためマッチングしやすい点がポイント。

公式サイト:https://speed-ma.com/

バトンズ(BATONZ)

  • 運営会社:株式会社バトンズ
  • ユーザー数:約179,513人(買い手人数150,000人以上)
  • 案件数:9,270件以
  • 累計マッチング数:2,420件
  • 手数料(売り手):すべて無料
  • 手数料(買い手):成約時のみ成約価格の2%

バトンズ(BATONZ)は、創業30年以上の歴史のある「日本M&Aセンターグループ」のグループ企業が運営する、国内最高レベルの成約実績のマッチングサイトです。売り手の手数料が無料な点はもちろん、買い手の手数料は一律2%と業界最安クラスの低価格を実現。安いだけでなく平均11か月程かかっていたM&Aを平均3か月に短縮、1か月で成約する案件も多数出ていることもポイント。

公式サイト:https://batonz.jp/

まとめ

今回は、飲食店M&Aの現状やメリット、おすすめのマッチングサイトについて紹介しました。相場は条件によって左右するものの、飲食店M&Aはお互いメリットが多いです。最近はM&Aマッチングサイトを利用して契約成立している個人店舗も増えているので、まずは気になるM&Aサービスに登録してプロに相談してみましょう。

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