人事DDとは、DDの中でも、組織の構図を明らかにするために、人事考課・昇進制度や報酬体系、退職制度など、会社組織と人事全般の調査するものを指します。また、人事DDは、一般的には社内の人事労務担当者によって実施されますが、もしそれが困難な場合には、担当者を社外のコンサルティング会社から招聘することもあります。特に、簿外債務でもある「残業代の未払い」については注意が必要であり、人事DDが曖昧であると、買収後に従業員から未払い残業代の請求を受ける可能性があります。しかし、スモールM&Aにおいては、そもそも従業員数が少なく、たとえ未払い残業代があっても総額はそれほど多くないため、専門家に依頼するというよりは、相手の経営者への質問を通じて確約してもらうことが多いです。
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記事監修
三戸政和(Maksazu Mito)
2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。