日本創生投資

Column

2021.03.13

M&Aに登場するプレイヤーを知っておこう

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・FA(フィナンシャルアドバイザー)

M&Aのプロセスに登場するプレイヤーについてまとめておきます。

M&Aに登場するプレイヤーにはまず、「FA(フィナンシャルアドバイザー)」がいます。FAには証券会社や銀行、監査法人に所属するFAのほか、独立系の組織に所属するFAや個人で活動するFAもいます。

FAは業界では「片手」と言われています。買い手か売り手、どちらか一方のみの手伝いをするからです。「売り手のFA」「買い手のFA」という言い方をして、たとえば、売り手のFAなら、売り手のためだけに調査や交渉をし、報酬も売り手からもらいます。

私見ですが、FAというのは、大企業同士のM&Aでしか必要のないプレイヤーだと思います。大企業同士のM&Aでは、たとえばサントリーがジムビームを買収するとなると、サントリー側とジムビーム側、それぞれからFAが代表として出てきて、FA同士で交渉を行ないます。エクセルやパワーポイントを使って、条件を出し合って、この条件を飲むか飲まないか、飲むのだったらそれをどう価格に反映させるかなどと、FA同士でガチガチとやり合うわけです。

中小企業のスモールM&Aでは、そんな場面はほぼありません。「エクセル使えない」「パワポよくわからない」「文章読むのも老眼でよく見えない」経営者に対して、買い手のFAが来て、パワポを見せながら、「この条件なので価格をこのくらい下げてくれ」などと交渉を始めたら、オーナーは「もういいです」となってしまうでしょう。

中小企業のスモールM&Aは、M&Aではありますが、事業を譲り渡す事業承継という、もっと緩やかなイメージです。だからFAのような、一方のために戦う人が登場する場面はそう多くないのです。

・仲介

FAに対して、売り手と買い手の双方のために働くのが「仲介」というプレイヤーです。片手のFAに対して、仲介は「両手」です。売り手と買い手の双方と契約して、双方の折り合いをつけながらM&Aを進めていきます。報酬も売り手と買い手の双方からもらいます。

国内の仲介業者は、日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクの上場3社が中心ですが、中小の会社や個人仲介もどんどん増えています。

手数料は、FAや仲介は譲渡代金の5%くらいを取るのが一般的です。ただ仲介はその5%を売り手と買い手の双方から取ります。一方からしか取らないFAからすると、そこは文句を言いたいところでしょう。

・FAと仲介についてのこそこそ話

実はFAと仲介はあまり仲が良くありません。FAと仲介の大きな違いは、片手か両手かというところですが、FAからすると、仲介は、売り手と買い手の間で利益相反をしているのではないか、と見えます。一方、仲介としては、M&Aというのは片方の利益だけでなく、双方の利益をうまく折り合わせるべきだという立場です。FAと仲介は、その立場上、相容れることは難しいのです。

このようにプレイヤーによる特徴や違いがあります。M&Aを上手く進めるためには、特徴や違いを理解して、FAや仲介たちと付き合うようにしましょう。

FAや仲介と知り合いになると、会社の売買案件を紹介してもらうことができます。会社を探す「ソーシング」については、別のコラムでお話ししますが、M&Aに登場するプレイヤーと知り合うことはソーシングの柱のひとつです。

・ネット、専門家

インターネットで会社の売り案件の仲介をする「ネット」仲介の存在感も高まっています。ネット仲介先駆けのトランビ、日本M&Aセンターがやっているバトンズ、ストライクがやっているスマートに加えて、ビズリーチもサクシードというサービスを始めています。

このようなプラットフォーマーの増加で、案件を探しやすい環境ができてきています。ネット仲介の手数料は譲渡代金の3%ぐらいです。

代表的なトランビとバトンズで比べますと、トランビは案件の数が非常に多い印象です。バトンズは、日本M&Aセンターの担当者が案件を確認してサイトに上げているそうで、案件がきちんとしているイメージがあります。どちらがいいということはありませんが、個人的には、バトンズに上がっている案件で、1回勉強してみるのはいい手だと思います。

案件を持っているという意味では、「商工会議所」や、都道府県にある「事業引継支援センター」というプレイヤーもいます。こういうところを回るのもソーシングの方法のひとつです。

このほか、M&Aには、「弁護士」「会計士」「税理士」というプレイヤーも登場します。法的なチェックをするのが弁護士で、財務的なチェックが会計士、税金に関するチェックが税理士です。彼らは中小企業とつながりを持っていますから、売買案件を持っていることもあります。

スモールM&Aでは、デューデリに、会計士や弁護士などの専門家を使うのは、コストが掛かるので難しいところはあります。たとえば法務デューデリを、弁護士にパッケージで頼めば、50万、100万円と掛かるでしょう。

それでも、「ある契約条項について重点的に見てほしい」とか、「株式移転のプロセスを法的に確認してほしい」というように、フォーカスを絞り、タイムチャージで聞くようにすれば、それほど手数料は高くならないかもしれません。

実際のデューデリジェンスでは、法的な部分を弁護士に確認してもらうことは多いですし、経営管理の甘そうな会社の場合は、部分的にでも会計士を入れて、財務デューデリをした方がいいと思います。ケースに応じて、必要があれば、専門家も工夫して使っていくようにしましょう。

次のコラムから、買いたい会社の案件を探す「ソーシング」というプロセスの解説に入ります。

また、日本創生投資は、事業成長を目的とした、中小企業によるM&A活性化に貢献すべく、M&Aのコンサルティング/サポート事業も行っています。
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