日本創生投資

Column

2021.04.29

基本合意契約②

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・独占交渉権は取っていくもの

買い手として、MOUにぜひとも入れておきたいのが「独占交渉権」です。独占交渉権とは、基本合意契約の後、一定期間はあなたとしか交渉しませんという権利です。

独占交渉権は、売り手側にはデメリットですから、あまり認めたがりません。しかし買い手としては、この後の本格的なデューデリジェンスには、ある程度のコストをかけていくわけです。ここで独占交渉権を取っておかないと、弁護士に100万円払ってデューデリしたのに、ほかの会社とも交渉していて、そっちに取られてしまったということにもなりかねません。銀行と資金調達の交渉もしていて、それも反故になったとなれば、銀行に対する信頼も失ってしまいます。

ですから、買い手としては、「ウチがコストをかけて本気でやっているときに、オーナーがほかと交渉するのはフェアではない」などと、納得感のある合理的な説明をして、独占交渉権を取っていくようにしましょう。

M&Aの解説本では、「MOUに独占交渉権が付いているのは当たり前」という書き方をしている本が多いですが、実際の現場では当たり前ではありません。現場では、売り手と買い手のせめぎ合いが常にあります。その中では、買い手としては、売り手に理解してもらうというスタンスが大切です。M&A業界のルールを押し付けるのではなく、お互いの納得感を作り上げるための伝え方が、案件をうまく進めるコツになるのです。

・法的拘束力はない

ほかに、基本合意契約で知っておくべきことをいくつか上げておきましょう。

「キーマン条項」という条文では、その会社やビジネスにとって重要な人物(たいていはオーナーや役員)が退任するのか、残るのか、残るのだったらどういう条件で残るのかを定めます。

「秘密保持」の条文は、NDAをこの段階でアップデートしておくものです。

「現状維持義務」とは、この交渉が終わるまで、経営は通常通り進めて、大きな資産を処分したり買ったりはせず、いまの状態を維持してくださいという条文です。

そして、基本合意契約の「有効期限」を入れて、契約はまとまることになります。

最後に大事な点ですが、MOUには、(秘密保持条項などを除いて)基本的に法的拘束力は付けません。つまり、契約とはいえ、反古にしてもいいというのが基本合意契約です。

この後の実行フェーズの結果次第では、売り手買い手双方とも、意思決定が変化する可能性があります。契約する当事者としては、本当は法的拘束力を付けたいところですが、このレベルでは、約束に近い形でMOUを結んで、お互いに相手を信頼して、実行フェーズ、最終合意へと進んでいくことになります。

次はいよいよ、M&Aの実行フェーズです。実行フェーズでは、本格的デューデリジェンスや事業計画作りなどを進めていきますが、ちょっとその前に、次のコラムでは、「おすすめのビジネスモデル」についてまとめておきます。

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