日本創生投資

Column

2021.04.24

会社を知るための会計訓練④~会社の値段の出し方

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・BSから会社の値段を導くには

前コラムでは、BSを見ればその会社の価値がわかると説明しました。会社を買うときは、デューデリジェンスをすることで、BSに載っている資産を評価し直して、その会社が本当に持っている資産価値(=純資産)を出します。

しかし、純資産がわかったといっても、それが即、会社の値段になるわけではありません。会社を純資産分で売っても等価交換にしかならず、売り手側には何のメリットもないからです。その会社を買うには、純資産分の値段に、どの程度の金額を上乗せするかを考えなくてはなりません。それが会社の値段になります。

上乗せ分は、その会社が将来生むであろう利益から導き出します。それをどのくらい評価するのかが、会社の値段の算定のポイントになります。

・シンプルな会社の値段の出し方

中小企業のM&Aで会社の値段の算定するときは、年倍法といわれる次の公式がよく使われます。

純資産+営業利益3~5年分=会社の値段

営業利益3~5年分が、その会社が将来得るであろう利益、というわけです。

たとえば、その会社が、ビルや工場や車などの資産を1000持ち、負債は借入が300あるとします。1000の資産を売却して300の借入を返せば700が残るので、700がその時点での純資産になります。

その会社が毎年100の営業利益を上げるとして、年倍法の公式に当てはめると、

700(純資産)+500(営業利益5年分)=1200

となり、1200がその会社の値段になります。年倍法は、会社の値段の算定方法のもっともシンプルなものです。

・EBITDAから会社の値段を出す

前のコラムで説明したEBITDAを使って、会社の価格を算定する方法が、「EBITDAマルチプル」という手法です。EBITDAは営業利益に減価償却費を足した数字でした。マルチプルとは倍率のことです。

EBITDAマルチプルという手法では、会社の値段を、EBITDAの何倍にするかで会社の値段を算定します。ごくシンプルに言うと、

EBITDA×X(倍率=マルチプル)=会社の値段

という式になります。Xのマルチプル(倍率)の部分は、業種や業態によって水準が変わります。その会社の業種や業態の相場を調べてマルチプルを決め、マルチプルにEBITDAをかければ、会社の値段が出ます。(ここの説明はごくシンプルなものです。マルチプルの求め方の詳細は別のコラムで解説します)

年倍法と同じように、EBITDAマルチプルという会社の値段の算定方法も、M&Aでは常識的な手法です。私のファンドでは、EBITDAの4倍程度以下でしか買わないと決めていますが、一般的なスモールM&Aでは、EBITDAの3~8倍で取引されていることが多いです。

以上のような会計知識を持てば、ターゲットの会社が良い会社かどうか、基本合意契約を結んで、M&Aの実行フェーズに進んでいいかの判断ができるはずです。ソーシングについての解説も最終盤です。次のコラムから、基本合意契約についての解説に入りましょう。

また、日本創生投資は、事業成長を目的とした、中小企業によるM&A活性化に貢献すべく、M&Aのコンサルティング/サポート事業も行っています。
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