日本創生投資

Column

2021.05.25

ビジネスデューデリジェンス⑦

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・「関係会社」のデューデリのチェック項目

ビジネスデューデリの解説、前コラムからの続きです。

ビジネスデューデリでは、「関係会社」についても見る必要があります。

その会社に、子会社などの関係会社があれば、そことの関係や取引についてチェックしましょう。中には、子会社と循環取引をしていて、全体としては売上になっていなかったというケースもあります。どんな取引をしているのかをヒアリングして、気になる点については細分化して見てみましょう。

また、子会社や関係会社との関係が切れても、会社の経営に影響はないか、追加でコストがかからないかも確認する必要があります。

たとえば、その会社と子会社の両方の事務をひとりが担当している場合、その担当者が子会社に残るのなら、こちらとしては新たな担当者を雇う必要が出てきます。また買収対象とならないグループ会社から、商品を安く仕入れているとしたら、グループから抜けた際、単価アップを求められるかもしれません。そうなると、利益に影響しますし、単価据え置きを約束していても、将来的には不確実性が残ります。これらは、買収価格に反映させるか、検討する必要があります。

・「会社組織」のデューデリのチェック項目

「会社組織」のデューデリでは人材の流出が一番のチェック項目になります。会社を買ったはいいが、従業員が全員辞めてしまった、なんて目も当てられない話もあります。

私も、投資先の会社を売却しようとしたとき、似たような経験をしました。売却先の候補が決まり、売却先とうちの会社幹部が面談をしたのですが、面談後、幹部の全員が「あそこに売るのだったら我々は辞めます」と言ってきたのです。売却先の社風が合わないというのが理由でした。この意見を聞いて、この売却話は進めることをやめたのですが、そういうこともあるのです。

デューデリでは、主要幹部やキーパーソンの辞める可能性について、必要なら面談をして確認しましょう。もし辞めそうであれば、その人が辞めても事業価値が下がらないか、代わりにその業務をこなせる人はいるか、新しく人を雇えばその代わりは務まるのか、を検討しなくてはなりません。

ただ、人員というのは、90%以上は代替が利くものです。中小企業経営は、創業者の属人的なノウハウに依存していると考える人も多いですが、創業者がいなくなっても、それはそれで経営は回ります。買収後にいなくなって本当に困るのは、特異な技術を持っている人くらいです。

・給与に問題はないか

給与水準のチェックも必要です。中小企業では、利益は出ているのに、従業員の給料が相場より低いことがあります。そんな状態なら従業員には不満がたまっているはずで、オーナーチェンジを機に、給料アップを要求してくるかもしれません。いずれ給料を上げざるを得ないのなら、経営コストが上がる可能性が高いことになります。

給与水準は給与台帳を当たって調べましょう。給与水準は地域ごとにも変わるので、人材採用のエージェントから、その地域の給与水準の情報を得て、比較することも大事です。

たとえば、給与水準が相場より10%低いとわかれば、事業計画では、人件費を10%上乗せして考えることになります。そうすることで、正常なコストや利益水準に近い数字で検討することができます。

・資格や許認可のチェック

会社組織のデューデリでは、組織の能力についても確認します。主には、資格や許認可についてのチェックになります。

中小企業では、本来は必要な許認可やライセンスを、ごまかしてやっているところがあります。たとえば、宅地建物取引士の資格がないのに不動産ビジネスをしていたり、二級建築士しかいないのに、その業務範囲を超える仕事をしていたり、ということです。

デューデリで、本来必要な許認可や資格がないことがわかれば、資格者を新たに雇うなどの必要が出てくるかもしれません。人に紐付いているライセンスもありますから、その人が辞めないかも確認しましょう。こうしたリスクは、判明すれば、事業計画や買収価格に反映させる必要がでてきます。

ビジネスデューデリの解説、もう少し続きます。

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