日本創生投資

Column

2020.10.31

スモールM&Aで中小企業を高く売るために

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・大切なのはM&Aの知識を持つこと

自分の会社を高く売るためには、M&Aや事業承継についてのある程度の知識を持っておく必要があります。売り手側にM&Aや事業承継の知識がほとんどなく、相手の言いなりで交渉が進められれば、よくわからないまま契約がまとめられて、価格が安く抑えられることになりかねません。情報の非対称性は価格に大きく影響しますので、気をつけましょう。M&Aや事業承継の知識は、高く売るためにはもちろん、買い叩かれないためにも必須です。自分に知識がない場合は、専門家の助けを借りるようにしましょう。

前のコラムで説明したように、中小企業のM&A市場が動き出したいまは、売り案件の少ない売り手市場ですから、売りに出した場合は、買い手の競合が多くなる確率が高いでしょう。競合が多くなれば、売買価格は上がりやすくなります。逆に、知り合いの紹介などで1対1の相対取引になる場合は、ほかに競争相手がいませんから、価格が高くなる可能性は低くなり、相応のものとなるでしょう。売り手としては、なるべく買い手が競合する状況で売る方が、有利な取引となります。

・会社は「のれん代」という価値を持つ

会社の値段は、会社の持つ土地や建物、設備、仕掛品などの資産の合計だけで決まるものではありません。会社が持つ技術や信頼、将来性、従業員、長年続いてきた取引先や顧客などにも大きな価値があり、それらの価値の合計がいわゆる「のれん代」といわれる部分です。「資産価値+のれん代」で会社の値段は決まります。

自分の会社を高く売るには、自分の会社にどんな「のれん代」があるのかを、オーナー自身が客観的に把握する必要があります。

たとえば、長年、商品を買い続けてくれる顧客が何万人もいて、それがリストになっていれば、それだけで大きな価値があります。同業者だけでなく、ほかの事業でもその顧客リストを活用できる会社が多いからです。

長年培ってきた取引相手との信頼関係も大きな価値になります。もしその中に大企業が含まれていれば、その価値はかなりのものとなるでしょう。大企業と取引したい会社はあまたありますが、大企業はなかなか新規の相手と取引を始めてくれません。大企業と取引したい会社にとって、大企業の取引アカウントを持っている会社を買収することは、大企業との取引を始める手っ取り早い方法となるからです。

真面目に働く従業員もそれだけで価値になります。少子高齢化が進み、労働人口が減っている日本においては、働き手を確保することが難しくなっています。私の運営するオンラインサロンでは、会社を買って経営を始めた人がたくさんいますが、彼らが口をそろえて言うのが、「ちゃんとした働き手がいない」「いい人材がなかなか集まらない」などの働き手の問題です。ですから、その会社にしっかりと働く従業員がいるだけで、それは大きな価値となるのです。

・スモールM&Aでは会社の弱みが価値になることも

会社の弱みが逆に価値になることもあります。

いまでは商品をインターネットで売ることが当たり前になっていますが、中小企業ではまだネット販売に乗り出していないところがあります。そこは弱みともいえますが、買い手からするとそこにテコ入れの余地があることになり、その部分を将来性と考えてもらうことができるのです。

また、これまでオーナーが経験と勘で販売ルートを開拓していた会社であれば、その会社に、データに基づいた営業戦略があれば、もっと販路を広げられると見込めます。もっと営業力があれば売れる商品、技術と捉えられて、そこが将来的な価値になるのです。

・シナジーとブルーポンド

事業自体も他人から見ると非常に価値がある場合があります。とくにその会社を買うことでそれまでの事業とシナジー(相乗効果)を発揮できる会社は、高い値段を付けてくれるでしょう。

自分の商売が実はブルーポンドで大きな価値があったというケースもあります。ブルーポンドとは、競合が少ない市場、いわゆるブルーオーシャンから翻案して私が作った造語で、競合が少なく規模の小さい市場のことを言います。

たとえば、町の洋品店です。どんな町の商店街にも、寂れた洋品店があると思いますが、彼らは非常に価値の高いブルーポンドを持っています。どういうものかというと、地域の学校の制服や体操服を扱うビジネスです。学校の制服や体操服はたいてい決まった洋品店を通して買いますし、その提携は長年代わることがありません。地域には小中高と多くの学校があり、毎年、一定数の需要が必ず発生します。そこから上がる売上は安定したストック収入になるのです。町の寂れた洋品店は、見る人が見れば、そんな大きな価値を持つ会社といえるのです。

以上のような知識を持って自分の会社を客観的に見れば、中小企業オーナーの方々にも、「自分の会社にもこんな価値があるな」と気づいてくれるのではないでしょうか。M&Aや事業承継に関する知識や情報を持つことは、自分の会社を高く売ること、なにより自分の会社の行く末を考えるための、大切な一歩となるでしょう。

次のコラムでは、ちょっと目線を変えた、会社を売るべき理由についてお話ししましょう。

また、日本創生投資は、事業成長を目的とした、中小企業によるM&A活性化に貢献すべく、M&Aのコンサルティング/サポート事業も行っています。
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