分散型社会で生きるために個人M&Aをしよう


これは、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」をサイトverでより詳しく解説したコラム(全コラム無料)の第11話/全17話になります。字数や語彙などをはじめ、サラリーマンや学生が通勤時間などといった片手間に読みやすい形にしているので、ぜひお気軽にご覧ください。

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コロナ禍がもたらした社会変化

新型コロナウィルスがもたらす社会変化も会社を買う理由となります。

ワクチン接種が急速に進み、新型コロナウィルスのパンデミックの収束が見えつつあります。ただこの1年余りのパンデミックが、私たちの社会にもたらしたものは非常に大きなものでした。

これまで私たちは、グローバル化とともに、人や情報が都市に集中する社会で生活し働いていました。そんな社会の在り方にノーを突き付けたのが新型コロナウィルスでした。グローバル化と密集がパンデミックをもたらした大きな要因になったのです。

このパンデミックで、私たちに求められたのが、移動しないことと人との距離を取ることでした。人が移動することによって生まれていた価値は失われ、観光産業、移動産業のビジネスが蒸発しました。私たちは仕事を、テレワークやテレカンファレンスなどを利用して、なるべく人と交わらないよう進めることになりました。

ワクチン接種の拡大によって、パンデミックがもたらした変化は少しずつ元に戻っているように見えますが、ワクチン効果の持続期間、ウィルスの新たな変異などの心配が依然残り、おそらく、私たちの暮らし、働き方が完全に元に戻ることはないでしょう。

私たちには、これまでの在り方から、社会を新しく作り直す必要が迫られているのです。おそらくそれは、これまでとは逆の、「分散型社会」を目指すものとなるでしょう。

分散型社会で生きるための個人M&A

今後の社会では、情報やモノはこれまで通りグローバルに動くものの、人の動きは制限された形になると思います。私たちの働き方は、テレワーク、テレカンファレンスが普通のものとなり、必要なときだけオフィスに行き、人と直接会うことには、その理由が求められるようになるでしょう。

飲食店が、持ち帰りや宅配事業の充実を図って、新しい飲食店の在り方を模索しているように、あらゆるビジネスにおいて、分散型社会での仕事の在り方が模索されると思います。

その模索の中で、会社の形も変わっていきます。会社に就職する「メンバーシップ型」の人が減り、業務ごとに雇用契約を結ぶ「ジョブ型」の人が増えていくでしょう。そうなると、都市部やその周辺に集中して住み、満員電車に揺られて都市中心部の会社に通勤していたこれまでの住環境、働き方は変化すると考えられます。

都市を離れて、地方に住む人が増え、将来的には都市の形も変わっていくかもしれません。

個人が会社を買うことは、こんな分散型の社会にも適しています。会社を買って資本家になれば、自らの生き方、働き方、稼ぎ方を自分で決めていけるからです。資本家なら、企業の「ジョブ型」「プロジェクト型」の働き方にも対応しやすいでしょう。コロナ禍がもたらした社会変化においても、会社を買うという選択肢が、より存在感を増しているのです。

次のコラムからは、中小企業のM&A、個人M&Aについて、売り手の視点から考えてみたいと思います。


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。


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