fbpx

M&Aにおけるソーシングの業務内容とは?手順と重要なポイントについて解説!

M&Aにおけるソーシングとは?

M&Aの案件を探すことを、業界では「ソーシング」といいます。会社は「出会い」がなければ買うことはできません。出会いのためには、自分に合う会社、買いたいと思う会社を探したり、ときには自分で「発掘」したりする作業が必要になります。それがソーシングです。

そもそも会社というのは、商品のようにパッケージされてお店に並んでいるものではありません。最近でこそ、ネット仲介を見れば、会社の売り案件が簡単に見られるようになっていますが、そういう会社であっても、クリック一つで買えるというものではありません。だからこそ、案件を探すこと「ソーシング」が重要になってくるのです。

それでは、次章でソーシングの手順、そして重要なポイントについて説明していこうと思います。

ソーシングの手順について説明!具体的な業務内容とは?

M&Aにおけるソーシングの大まかな流れは以下のようになります。

1.買収ターゲットを絞る

2.買収候補の情報収集

3.ノンネームシートを集める

4.NDAを結ぶ

5.IM

6.面談

それでは、項目ごとに内容、そして重要なポイントについて説明していきます。

1.買収ターゲットを絞る

買収計画作りの中で、定性判断と定量判断という二つの物差しを使って解体会社を決める必要があります。要するに、数値化できない部分(事業内容など)と数値化(財務情報など)できる部分を見ていくことで、買いたい会社を見ていこうということです。

関連記事→M&A戦略における定性判断と定量判断の重要性

その上で、ソーシングにおいては、実際の案件を集めるために、知り合いや専門家、公的組織やM&Aマッチングサイトなどと接触していきます。そのとき彼らに、「こんな会社を探している」と説明するために、買収計画で示した自分が買いたい会社を、業種や地域、会社の規模、財務的な数値、買収金額などの条件を決めておきましょう。

ここで重要なのが絞りすぎないことです。ターゲットの条件はある程度絞ることが必要ですが、例えば、銀座4丁目を場所として設定していたのを銀座に変更するなどのように、探していく中で柔軟に修正していきましょう。

2.買収候補の情報収集

ターゲットを絞ったら、買収候補を探すために情報を収集します。今の時代であれば、M&Aのマッチングサイトに登録をして掲載案件を見るところからでしょう。ネットには複数のマッチングサイトがありますから、ネットを見るだけで、ある程度の数の案件は見ることができます。しかしそれはソーシングとしてはごく一部に過ぎません。そして、FAや仲介、商工会議所、事業引継ぎセンターなど、M&Aに関わるさまざまなプレイヤーにアプローチします。メールを出したり、電話をかけたりのほか、アポが取れればどんどん会いましょう。作業としては営業と同じですね。その中で、自分が買いたい会社をプレゼンし、うまくいけば案件を紹介してもらえるでしょう。

M&Aマッチングサイト「BATONZ」→https://batonz.jp/
M&Aマッチングサイト「TRANBI」→https://www.tranbi.com/
M&Aマッチングサイト「SPEED M&A」→https://speed-ma.com/
事業引き継ぎセンター→https://shoukei.smrj.go.jp/

3.ノンネームシートを集める

次に行うのは買収候補となる企業のノンネームシートを集めることです。

ノンネームシートとは、ティーザーとも呼ばれ、譲渡希望会社の会社名や詳細を明かさずに会社の情報を要約したもののことを指します。ノンネームシートに載っている会社の情報はざっくりとしたものです。会社の名前はありません。所在地は、関東などの地方レベルか都道府県までで、会社や事業のことは、簡単な事業内容と特徴、大まかな社員数と簡単な設備内容くらいです。財務情報も売上高と営業利益が書かれている程度です。さらに、売却理由と、売り手が希望する売却希望価格と売却方法が載っているのが通常です。

また、事業承継の必要がある会社が、すべて案件化されているわけではありません。事業承継をする方法を知らない、そもそも自分の会社が売れるなんて思っていない中小企業のオーナーはたくさんいます。案件化されていない会社には、当然ノンネームシートはありません。その中で良さそうな会社があれば、オーナーさんと話をしながら、ノンネームシートレベルの情報を自分で手に入れなければなりません

自分に合った案件を見つけるために、より多くの買収候補企業を設定し、ノンネームシートを集めましょう。

4.NDAを結ぶ

ノンネームシートを見て良さそうな会社があったら、その会社と守秘義務契約(NDA)を結びます。秘密保持契約は、「ここで得た情報は外に漏らしません」と約束するものです。秘密保持契約は、売り手にとって、買い手が想像する以上に大切な契約です。なぜかというと、会社の情報を外部に出すということは、さまざまなリスクに会社を晒すことになるからです。したがって、売り手の信頼を得るためにも、しっかり守るようにしましょう。

5.IMをもらう

NDAを結んだら、その会社の詳細な情報として、インフォメーションメモランダム(IM)という、FAや仲介がまとめた資料をもらえます。そのIMを分析して、「その会社に本当に買う価値があるのか」を調べるのが、初期デューデリジェンスです。IMは、ノンネームシートと同様、案件化されていない会社にはありません。そんな会社について初期デューデリをするためには、自分でIMレベルの情報を手に入れる必要があります。そのためにもIMのポイントを理解しておきましょう。それが、案件化されていない会社を見る目線にもなります。

関連記事→IMを読むポイントに関する記事

6.面談

IMを分析して、交渉をさらに進めたいと思ったら、次のプロセスが「面談」になります。この面談がソーシングプロセスの最終段階です。M&Aは、この面談に辿り着かないと話が進みません。序盤のやり取りはすべて、面談に辿り着くためにある、と言ってもいいでしょう。やはり、直接、顔を合わせて話をすることで、双方が得られる情報量は膨大です。言葉や言葉遣いに気を付けることはもちろんですが、立ち振る舞い方や表情など、言葉以外のコミュニケーションにも気をつけなければなりません。買い手としては、この面談で、自分はどんな人間か、いかに後継者にふさわしいか、その会社をどうしたいかなどを、改めてプレゼンする必要もあります。そして何より、会社を買いたい熱意を伝えましょう。私の運営するサロンメンバーで会社を既に買った人たちは、共通して熱意を伝えることが大切だと言っています。資料を揃えて、プレゼンの準備をしっかりとして臨みましょう。

このような流れで、ソーシングは行われるのです。

ソーシングにおけるコツと重要なポイント

以上のような流れで、ソーシングは行われるのですが、ソーシングを行う上で重要なポイントやコツについて投資ファンド目線で紹介したいと思います。

ソーシングを行う上で重要なことは色々とありますが、今回はその中でも3つ紹介したいと思います。

1.自己紹介のプレゼン資料を作る

2.やりながら修正する

3.口説き落とす

それでは、それぞれ項目について説明していこうと思います。

1.自己紹介プレゼン資料を作る

買い手にとって何よりも重要なことは、いかに売り手と通じ合い、信頼してもらえるかどうかです。そのためには、買い手である自分がどのような人間であるのか。売り手に理解してもらう必要があります。プレゼン資料には、名前はもちろんのこと、顔写真やこれまでのキャリア、さらにはどのようなモットーで会社を探しているのか、自分の考えを理解してもらい、さらに相手から信頼を得られるような内容にすると良いでしょう。

2.やりながら修正する

2章でソーシングの流れを説明しましたが、もちろん何もかもがうまくいくわけがありません。必ず修正が必要な場面が出てきます。自己紹介プレゼンで反応が悪かったところを伝えやすくすることだったり、会社を探していく中であまり見つからなかった時に条件を広げてみるなど、やっていく中で気づくことが必ずあります。気づいたことがあったら、その都度修正していきましょう。

3.口説き落とす

ソーシングの最後のプロセスが「口説き落とし」になります。オーナーさんは事業承継の必要性を感じつつも、まだ迷いがあって悩んでいることがほとんどです。また、事業承継をやりたいと思いつつも、「情報は表に出したくない」「信頼できる人にしかそんな話はできない」などと思っているのです。

だからこそ、オーナーさんに信頼感を与えて、この人だったら事業承継の話をしても良いと思ってもらう必要があります。その過程こそが口説き落としになります。オーナーとのやりとり一つ一つを大切にして、信頼を得るためにコツコツと地道な努力を続けましょう。そうすることで、案件をみつけることができるでしょうし、また掴み取ることにもつながるでしょう。

以上がソーシングをしていく中で、重要なポイントとなります。

まとめ

M&Aにおけるソーシングプロセスを重要なポイントとともに解説しましたが、いかがだったでしょうか?重要なポイントは、とにかく足を動かし、熱意を伝えることです。自分に合った会社を見つけるためには、より多くの情報を集めなければいけません。また、見つけた会社をどれだけ買いたいのか、熱意を伝えることによって売り手の信頼を得ることにつながります。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。


こんなタグの記事が読まれています