バイアウトファンドによるQ&A回答コーナー(第2回)

こちらは、皆様の素朴な疑問に、PEファンドである、我々日本創生投資の社員(たまに代表の三戸も登場するかも?)がお答えしていくコラムとなっています。

できるだけ全ての質問にお答えしていこうと思うので、M&AのことからPEファンドのことまで、この機会を活かしてお気軽にご質問ください!

(*不適切な質問と判断させていただいた場合、お答えすることはありませんのであらかじめご了承ください)

では、今週分も回答していこうと思います。

Q1.M&Aの際の個人保証についてお伺いしたいです

下記の記事では個人保証を外す最大のチャンスは、「会社を買った時」ということをお伝えしました。しかし、その会社に信用がないと、個人保証を外せない場合があることもまた事実です。それは、銀行としても、その会社に貸すのは怖いという認識が生まれてしまうからです。例えば、個人保証を外してもらおうと、銀行を10数行回って外せなかったら、その会社に信頼はないと思った方がよく、M&Aを再検討した方がいいでしょう。

関連記事→個人保証に関する記事はこちら

しかし、上記のコラムでもお伝えした通り、全国銀行協会が作成した「経営者保証に関するガイドライン」では、「後継者・旧経営者から必要な情報開示を受けた上で、旧経営者の保証債務を当然に後継者に引き継がせず、経営者保証を求めない可能性や代替的な融資手法の活用可能性を改めて検討」としています。加えて、日本商工会議所が作成している事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則の中では、「後継者に対し経営者保証を求めることは事業承継の阻害要因になり得ることから、後継者に当然に保証をを引き継がせるのではなく、必要な情報開示を得た上で、保証契約の必要性を改めて検討するとともに、事業承継に与える影響も十分に考慮し、慎重に判断することが求められる」とも記されています。

そして現在は、「父親から承継した水産物販会社を3社のM&Aによって立て直した話②」にもある通り、コロナ禍を経て、より個人保証が外れやすくなっているそうです。時代は、個人保証を取ってはいけないということになってきてますね。

Q2.このサイトのビジネスDD記事にもあるように、ビジネスDDではやることが多いように見えます。優先度をつけるとしたらどうなるでしょうか?

ビジネスDDの記事読んでいただきありがとうございます!ですが、この質問の答えに関しては、ビジネスDDで説明したこと全てが重要事項であるために、「全部」と答える以外ないです(笑)このサイトでも8個に分けて説明したので、ビジネスDDがたくさんあるように思われるかもしれませんが、それらは会社を立ち上げる際には当然やるべき、当たり前の作業です。人を雇って研究開発させ、特許申請を申し込み、商品化する...材料の仕入れ先を見つけ、売り手を見つけ、販売する...ということを全て、会社の創業者(=ゼロイチ起業家)はやってきて、またそれを継続してきたのです。対して、会社を買う場合には、オーナーが作り上げてきたものが、一通り全て揃っています。ですので、そんぐらいの労力は自分の手でしっかりやっていきましょう!

Q3.ずばり、数多く見てきたスモールM&Aの中で、一番多い失敗の要因はなんでしょうか?

資金繰りでしょうかね。まず前提として、どんな会社でも資金繰りは最重要箇所であり、中小企業は特に資金操りがしっかり読めないと、失敗する確率は高くなります。これは間違いないです。そのため、資金繰りを読み間違いないよう買収前に運転資本を確認して、経営がうまく回るような事業計画をきちんと作っておきましょう。

関連記事→事業計画と運転資本の記事はこちら

正直、株式譲渡のスキームでは、長期間の間、しっかりと資金繰りがなされた状態の会社をそのまま買い取るので、よほどのことがない限り、おかしくなることはありません。しかし、特に事業譲渡のスキームでは、資金繰りの読み間違いが起きやすく注意が必要です。これは、事業譲渡では、対象の事業だけを買い取るので、事業に付随していた運転資本はついておらず、事業に必要なお金を自分で調達する必要があるためです。

関連記事→株式譲渡と事業譲渡の違いについて解説した記事はこちら

Q4.スモールM&Aがうまくいくコツや秘訣などはありますか?

(三戸)これは私がどのメディアや著書でも言っていますが、「Just Do It」につきます。会社を探すこと、資金調達をすること、全て動いておけば何かが見えてくるはずですし、積み重ねていくことで生まれることをあります。「どうすればうまくいくのかな」と考えているだけではなく、とにかくやってみてください。案件の交渉を進めるだけ進めて、最後に資金を用意できなくなったら、やめればいいだけです。

関連記事→M&Aにおける資金調達の記事はこちら

そこで買うことはできなくても、その経験が残ります。ですから、コツや秘訣はとにかく、「Just Do It」。サロンで会社を買った人の共通点は、とにかく動いていたという点です。本当にリスクを取りにいくかは最後で判断し、まずはやってみましょう。その一つの手助けに、このサイトがなれることを私も願っています。

以上で今回の質問返しを終わりたいと思いますが、いかがだったでしょうか?質問返しについてはコンテンツ化して、定期的に皆様の疑問や不安なことに答えていこうと思うので、お気軽に質問を投げかけてみてください。

それでは次回の質問返しでお会いしましょう!

匿名なので、お気軽にどうぞ!(*不適切な質問と判断させていただいた場合、お答えすることはありませんのであらかじめご了承ください)

[contact-form-7 id="5166" title="質問箱"]


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。


こんなタグの記事が読まれています