M&Aはなぜ行うのか?M&Aによって得られるものについて解説!

なぜM&Aをするのか?

そもそも、なぜM&Aをするのでしょうか。買収計画作りの一環として、これについても押さえておきましょう。

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なぜM&Aをするのかを考えるには、M&Aで得られるものを考えてみればわかります。それを得られるがゆえに、多くの人がM&Aに乗り出していくのです。

M&Aによって得られるものとは?

M&Aで得られるものとは何でしょうか。まずは「時間」です。すでにでき上がっている会社を買うことは、「会社を立ち上げて安定させるまでの時間」を買うこととイコールです。安定した会社に成長させるまでの試行錯誤のプロセスも必要なくなりますから、お金で「リスクヘッジ」をするとも言えます。

起業した経験のある方ならわかると思いますが、会社や事業を立ち上げて安定軌道に乗せるまでには、相当、時間が掛かります。いろいろなミスやトラブルが起こりますし、それが大きな損失となることもあります。

私がイギリスで和牛の輸入販売業を立ち上げたときには、500万円を掛けて冷蔵庫を作ったのに、トラブルでその冷蔵庫がパーになるということがありました。長年続いている中小企業では、こうした試行錯誤が終わっているのです。M&Aとは、そこに価値を見出して行うものなのです。

「設備」についても同様です。すでに稼働している設備には、「安定と実績」という価値があります。M&Aではそれも手に入れることができます。ただ設備は、時間が経って劣化していることがありますので、会社を買うときには、現場に行って、現物の設備を見て、稼働状況や設備投資の必要性をたしかめることが重要になります。

「権利」もM&Aで得られるものです。権利には、「許認可」や「知的財産権」のほか、「顧客」「ブランド」「場所」なども含まれます。大手企業との「取引関係」も価値のある権利です。トヨタやイトーヨーカドーといった大手企業と取引をしたくても、取引関係をゼロから作るのは難しいでしょう。ですから、大手との取引関係を持っていることは、M&Aにおいては、大きな価値となるのです。

このほか、経営陣、従業員といったその会社の「人的資源」や、その会社を買うことで生まれる「シナジー(相乗効果)」もM&Aで得られるものです。

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M&Aで会社を買うということは、単純に会社を手に入れるだけではありません。以上のような、「時間」や「権利」、「設備」や「人的資源」なども一緒に手に入れられるからこそ、M&Aには価値があるのです。

M&Aをするには、M&Aに登場するプレイヤーを知っておく必要があります。次のコラムはそのお話です。


記事監修

三戸政和(Maksazu Mito)

2005年ソフトバンク・インベストメント入社。兵庫県議会議員を経て、2016年日本創生投資を投資予算30億円で創設し、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行う。




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