北海道の農業M&A動向。M&Aにおけるメリットや農業のM&A事例

北海道の農業は従事者の高齢化が進み、後継者問題が深刻化しています。そのため企業による農業の経営を目指したM&Aが増加傾向にあります。M&Aに踏み出したいけど、不安がある方のために、この記事では、北海道の農業のM&Aにおけるメリットや農業のM&Aの事例をご紹介していきます。

北海道・農業のM&A動向

北海道の農業のM&Aは活発になってきています。北海道は2018年から2020年の3年間で日本で4番目にM&A件数が多い地域です。その背景には農業従事者の高齢化、少子化などの影響から、後継者不足が問題になっていることがあげられます。企業による農家のM&Aはこれから先、増加して行くのではないかと言われています。また、商工会議所や民間のM&A仲介業者、金融機関などがサポートに乗り出しています。しかし、M&Aがよくわからない。どんなものか理解できていない方も多いでしょう。そのため、M&Aを気軽に相談できる場を増やす動きもあります。ここでは、農業のM&A件数、価格相場、個人によるM&Aについて解説します。

北海道の農業のM&A件数

北海道の農業のM&Aの件数は他の製造業や建設業に比べると少ないですが、年々増加傾向にあります。しかし、農業の従事者の中には後継者には子供や身内をと考える方も多く、M&Aに踏み出せないのも現状です。そして、北海道のM&Aは約半分、道内で完結しています。残りは道外の会社が道内の会社を買収、道内の会社が道外の会社の買収となっています。

農業のM&Aの価格相場

農家のM&Aは価格相場を知ることが、とても大切なことになります。相場をしっかり知っておくことで買収時の金額によるトラブルを回避できるからです。農業のM&Aの価格相場は、売上規模、家畜の頭数、従業員などで価格が決まります。北海道の農産物は有名なので全国で販売されています。そのため売上規模が数億円の大きな会社もあります。しっかり自社の価格相場を知り、双方にとっていい形になるM&Aを目指しましょう。

個人によるM&A

後継者問題や経営者の高齢化でM&Aに乗り出す企業が多いですが、個人によるM&Aもあります。ここでは個人によるM&Aを簡単に説明いたします。「個人へのM&A」とは個人が買い手となる買収のことです。法人と違い個人の場合は、買収額も約数十万〜と個人でもM&Aが可能な金額のものもあります。また、第三者継承として、農業を始めたい人を農業をやめたい人と結びつける新規就農も注目をあびています。

スモールM&Aとは?手法やメリットについてわかりやすく解説。

農業のM&A事例をご紹介

事業再生のためのM&Aもありますが、今では、地域分散や事業の拡大を目指し収益の見込める企業への投資が増えています。農業は従事者の高齢化が進み、収益はあるけど後継者がいない状況もあり、事業継承への取り組みが活性化されて行くでしょう。2020年から2021年に行われた、農業法人M&Aの事例をご紹介します。

大和フード&アグリ株式会社が株式会社スマートアグリカルチャー磐田への経営参画

東京都の大和フード&アグリ株式会社は2020年よりトマトの生産、販売ビジネスを展開しています。静岡県の株式会社スマートアグリカルチャー磐田は、2016年以降最先端の園芸設備、ノウハウを組み合わせパプリカなど野菜の生産、販売を行ってきました。大和フード&アグリがスマートアグリカルチャー磐田に経営参画し、これまでのノウハウと設備を活かし新たにパプリカの生産、販売を開始しました。

グッドソイルグループとアグリアライアンスの共同事業

広島県のアグリアライアンスは、にあるグッドソイルグループと共同事業を結び、脱穀した落花生の葉、茎、根は破棄せずお茶などの加工に再利用されています。また、栄養価の高い野菜栽培、栽培技術の向上のためグッドソイルグループと共同研究農場を設立しました。二つの農業が共同することで無駄をなくし、今まで以上に色々なことを始めることができます。

北海道の農業のM&Aにおける活性化支援

経済の活性化を目指し、銀行などがM&Aの仲介に積極的に動いています。地元の経済の安定には中小企業の減少を抑え、M&Aや事業承継が必須となるからです。農業の第三者への事業承継は、新規主就農など地方自治体、農協により様々な支援が行われています。農業を始めたい方を募集し高齢化が進み、農業を辞めたいと考えている農家に紹介します。辞めたいと考えている農家にとっては、自分たちの作り上げてきたノウハウ、設備が消えずに残り続けることができます。

北海道・農業のM&Aのメリット・デメリット

北海道の企業による農家のM&Aや農業法人による農家のM&Aなどがあります。売却側も買取側もメリット・デメリットを理解しお互いに理想のM&Aを成功させましょう。そのために、売却側、買収側のメリット・デメリットを解説します。

売却側のメリット

M&Aにおける売り手側のメリットは、まずなんと言っても後継者問題の解決です。また規模の大きな農業法人や企業と合併することで安定した経営基盤のもと事業を広げて行くことが可能になります。今後の農家にもデジタル化が必須になって行くでしょう。個人農業や小規模な農家は遅れをとることになるかもしれません。デジタルに対応し、作業の効率化、生産量の増加、コスト削減に繋げるためにもM&Aは大切なことと言えるでしょう。また、同じ農家同士のM&Aの場合は、ノウハウを共有することで生産量が上がったり、もっと質のいい野菜を作ることが可能になります。

買取側のメリット

企業が農業業界に進出したい場合、一から新規で始めるにはデメリットが多すぎます。そこでM&Aです。すでにある農家と合併することで、農家のノウハウ、販売の取引先、農地や設備、人材が全て揃うのです。また事業拡大や経営の効率化とコスト削減を目的とした、農家法人による農家のM&Aも行われています。同じ農家なので栽培も拡大し、ノウハウの向上にも繋がります。

売却側・買取側のデメリット

売却側のデメリットは、業績の悪い会社は買取先がなかなか見つからず、もし見つかったとしても価格や条件等が合わず合意に至らない点があります。まずは、M&Aを成功させるための経営実績も必要になります。買取側のデメリットは、売手側の会社の統合などに時間がかかることがある場合、反対にコストがかかってしまったりして、M&Aで大きな効果を得られないこともあります。

まとめ

農業の従事者は高齢化し年々減り続け、少子化の影響もあり後継者問題に直面している農家は少なくはありません。そうしたなか、事業承継や事業拡大のため、M&Aを活用し成功している事例が増え続けると、一気にM&Aが活性化されていくでしょう。また様々な支援も今以上に、充実していくでしょう。そして、農家を辞めたい方と農家を始めたい方をつなぐ、第三者者への新規就農も増えつつあります。売却する側も買取をする側も双方が、納得する形で進めるためにメリット、デメリットをしっかり理解することが大事になります。少しでもM&Aが気になる方は、商工会議所や民間のM&A仲介者など、無料相談もありますので、気軽にご相談してください。

こんなタグの記事が読まれています