Column

2018.05.19

どんな方法をとるべきなのか~法的整理と私的整理

Spread the love

ここで法的整理と私的整理について詳しく見てみましょう。
先ほど述べたように、会社を終わらせる方法には、法律による方法(法的整理)、法律以外の任意による方法(私的整理)があります。

法的整理は、法律によって手続きが定められ、裁判所の管理の下で、会社の整理が進められます。破産法による破産手続きや会社法による特別清算手続き、民事再生法や会社更生法による事業の再生に向けた倒産手続きなどがその代表的な手続きです。
法的整理は、法律に基づいて、裁判所が関与しますから、手続きには透明性があり、公平に進められます。また手続きは、債権者に対して拘束力をもち、意見の分かれる手続きは多数決によって決めることができるなどのメリットがあります。
一方で、その企業が倒産手続きに入ったことが公になるため、風評によってさらに業績が悪化したり、その後の取引が困難になる可能性があったりなどのデメリットもあります。

私的整理は、その手続きが法律で定められていません。債務者と債権者が任意で交渉をし、合意を積み重ねながら、手続きを進めていきます。関係者の合意さえできれば、それぞれの意向に合わせた柔軟な対応を、迅速に進めることが可能で、これが最大のメリットではありますが、合意は債権者全員から得なければならず、その難しさがすなわち最大のデメリットともなります。また、その手続きは公にする必要はなく、風評被害を防げることは大きなメリットです。
私的整理は、法的整理と比べ、手続きの透明性や公平性に欠けることが問題点とされてきましたが、政府と経済界が協力し、一定のルールを設けたことで、より使いやすくなりました。私的整理ガイドライン、中小企業再生支援協議会、事業再生ADRなど、現在では、複数のルールが設けられ、会社の規模や状況に合わせた私的整理が進められるようになっています。
このような環境が整えられた結果、とくに中小企業では、倒産という風評による業績のさらなる悪化や連鎖倒産を防ぐ意味でも、法的整理の手続きではなく、まずは可能な限り、私的整理を選択し、整理を進めていくことが一般的になっているようです。